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   権 利 関 係                    
                は し が き
 
  平成に入ってから宅建試験が難しい、なかなか合格できないといった話をよく
 聞きます。以前に比べ民法が難しくなったのが原因の1つだと考えられます。
  民法は私人の経済的あるいは家族的な社会生活関係を規律する身近な法律でも
 あり、不動産取引において契約を考えると重要な法律でもあるので、焦らずじっ
 くり学んでいけば、法律的な考え方が身につきますので、頑張ってください。
 
  <民法を学ぶ上での姿勢>
   ・ 民法を知らないということは、交通法規を知らずに車を運転するような
    ものです。
 
   ・ 民法は公平が原則です。行司が軍配を真上にあげれないように、どちらの
    権利を保護すべきか常に念頭にいれてください。
 
   ・ 宅建はあらゆる国家試験の原点です。この第一歩をうまく踏み出せれば、
    不動産鑑定士・司法書士・司法試験も夢ではありません。これから1年
    合格への道は険しいかもしれませんが、得るものもおおきいはずです。
     挫けず合格を掴んでください。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  <宅建における民法>                    
    契約が不動産取引において重要な位置を占めています。簡単に民法との関係
   契約の成立を中心に図示してみましょう。















 
        前         契約成立       後        
契約が有効に成立するか        
・当事者間              
  権利能力(胎児と契約できるか?)   
                   
  意思能力(結果を認識できないもの 
       に、責任を問えるか)  
・契約内容(法の保護に値するか)    
・意思表示に瑕疵・欠缺はないか    
・どんな権利を取得するのか      
   所有権、地上権、賃貸借      
・確実に相手から権利を取得できるか  
   保全の方法(物的担保、人的担保)  
・専門家でないので誰かに依頼(代理、委任

 
権利が保護されるか         
・契約内容を履行してくれるか   
  危険負担、解除、同時履行の抗弁  
  債権者代位権、債務不履行   
 ・購入したものに不具合があった場合

 ・権利の譲渡           
 ・権利の内容が違う        
  不当利得            
 ・不当に権利の侵害があった    
  不法行為            
 ・権利者が亡くなった       
  相続              

 
 
  このように我々は、知らず知らずに多くの民法の規定に接しています。まず
 慣れてください。
  千里の道も一歩から。合格への道へもう踏み出しています。
  
 
 
 
 
<参考文献>
  DEVICE  民法 T・U    熊谷信太郎著  早稲田経営出版
  民法のしくみ            山崎和義著   日本実業出版
  新択一受験講座 1〜7       井上英治著   法曹同人
  総則、物権、債権総論、債権各論   伊藤真著    弘文堂
  親族・相続             伊藤真著    弘文堂
  口語民法              高梨公之監修  自由国民社
  直前チェック民法T・U・V     竹下貴浩著   早稲田経営出版
  民商法基礎講座                   金融財政事情研究会
  司法試験短答過去問 民法1、2           辰巳法律研究所
  マンションン法の解説        熊田裕之著   一橋出版
  新借地借家法の解説         熊田裕之著   一橋出版
  不動産登記法            田中稔著    一橋出版
  技あり不動産登記法         竹下貴浩著   早稲田経営出版
  直前チェック不動産登記法      竹下貴浩著   早稲田経営出版
  図解による法律用語辞典               自由国民社
  民法1、2、3           我妻栄著    一粒社
  同時に学ぶ民法・不動産登記法・書式 米田徹也著   法学書院
  WIN 1998,6〜2001,11                 早稲田経営出版
  マンション管理の知識        (財)マンション管理センター 住宅新報
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 民 法 の 構 成                          
 第1編総則  第1章 人−私権の享受・能力
        第2章 法人
        第3章 物
        第4章 法律行為− 総則・意思表示・代理・無効及び取消・条件及び期限
        第5章 期間   
        第6章 時効− 総則・取得時効・消滅時効
 第2編物権  第1章 総則
        第2章 占有権−取得・効力・消滅
        第3章 所有権−限界・取得・共有
        第4章 地上権
        第5章 永小作権
        第6章 地役権
        第7章 先取特権
        第8章 質権
        第9章 抵当権−総則・効力・消滅・根抵当権
 第3編債権  第1章 総則−目的・効力・多数当事者(不可分債務・連帯債務・保証債務)               譲渡・消滅(弁済・相殺・更改・免除・混同)
        第2章 契約−総則・贈与・売買・交換・消費貸借・使用貸借・賃貸借・雇用・               請負・委任・寄託・組合・終身定期金・和解
        第3章 事務管理
        第4章 不当利得
        第5章 不法行為
 第4編親族  第1章 総則
        第2章 婚姻
        第3章 親子
        第4章 親権
        第5章 後見
        第5章の2  保佐及び補助
        第6章 扶養
 第5編相続  第1章 総則
        第2章 相続人
        第3章 相続の効力−総則・相続分・遺産の分割
        第4章 相続の承認及び放棄−総則・承認(単純承認・限定承認)
        第5章 財産の分離
        第6章 相続人の不存在
        第7章 遺言−総則・遺言の方式(普通・特別)・効力・失効・取消
        第8章 遺留分
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
民法の全体像
  T 総説
    1,「民法」とはなにか
      −時代背景−
 1789年のフランス革命を中心とする市民革命によって封建制度が崩れ近代国家が成立する過程で、封建的な制約から開放された個々人は、自由な経済活動を制度的に保障することを強く望んだ。
(国家は)
・個人個人の自由な経済活動の場を保障し
・またその活動を容易にするためにのみ権力
 を行使するが、
 それ以上に個人の自由を制限する活動をすべきではないという思想が生まれた(自由主義)
 この自由主義の思想に基づいて、自由な人々の間の、国家の介入を受けない関係について、ルールを定めていくことが求められた。
 ルールの集合として「民法」という概念が成立した。
「民法」とは自由主義思想に基づいた市民社会のルールといえる。
 
所有・売買・賃貸借などの財産関係を規律する財産法
夫婦・親子・兄弟姉妹などの身分関係を規律する家族法
 
 
 
 
 
 
 
U 民法の役割
1 公法と私法
 公法・・ 国または地方公共団体とその構成員(国民、市民)との間の       統治関係を規律する法 命令服従を指導原理
 (憲法・刑法・民事訴訟法・刑事訴訟法など)
       裁判の手続きを定めた法
私法・・個人間の私的生活関係を規律する法
     国家とはかかわりの無い個人としての生活関係を対象
      自由平等を指導原理
     (民法・商法・手形法など)
2 一般法と特別法
一般法・・人・地域・事項などについて具体的に限定的しない一般法
    (民法・刑法)
特別法・・特定の人・地域・事項などについて具体的に限定的に適用       される法(商人について商法など)
「特別法は一般法に優先する」
 民法は市民一般の法律関係を規律する
  商法は市民の中でも商人を中心とした特別な法律関係を規律する
 
3 実体法と手続法
   実体法・・・どのような内容の権利・義務があるかを規定した法
         裁判の基準
手続法・・・その権利や義務をどのように実現していくかを規定
している法
         裁判の手続を定める
 
 
 
 
 
 
4 民法の果たす役割
 
 市民が法律関係を意識しないまま契約をしてしまった。
 トラブルが発生したときにどのように処理してよいかわからない。
 民法が補充的に出てきたトラブルを解決する。
すなわち、民法の規定は市民が約束しなかったことについて補充する役割を果たすことになる。逆にいえば,当事者が特約をすればこの点に関する民法の規定は適用されない。当事者の特約によって排除できる規定のことを任意規定という。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  民法の適用  

 

         YES
  当事者の特約あるか  










 


 

 NO
         YES
  慣習があるか  






 


 

 NO
       YES
  任意規定あるか  


 


 

 NO
 

 
条理(常識)が
適用される

 
 民法が
 適用される

 
 慣習が
 適用される

 
強行規定に反しない
限り特約が適用され
 
 もっとも、民法はこのような当事者の特約で排除できる任意規定ばかりで構成さ
れているわけではない。
                   ↓
  例えば、愛人契約は公序良俗違反で無効であるし、15歳で結婚する事も認めら
れない
                   ↓
  このように当事者の意思によって動かせない公の秩序に関する規定のことを強行
規定という。
                   ↓
法の強行規定によって最低限のルールを定め,それ以外の部分は任意規定として
当事者の意思を尊重している。
V 民法の構造
 
           
            
            
  第1編総則
        明治31年から施行されている
        ので旧仮名遣いとなっている
     

 
  財産法     2編物権


      

 
   民法     3編債権

     
     
     
     

               
      
      
  4編親族   戦後改正されたので新仮名遣いと
        なっている
  
  家族法  
              5編相続
 
「総則」は物権法や債権法、場合によっては、親族法、相続法にも適用される通則。
 
「通則」というのは、共通に適用される事柄、それを抽出したもの
 
 日本の民法は、パンデクテン方式といって共通部分を前へ前へとくり出して  くるシステムをとっている。
W 民法の基本原理
 
 1、「私的自治の原則」
 ・ 市民社会においては、人が権利を取得したり義務を負ったりするのは、自ら  の意思でそれを望んだときだけであるということを表したものである。簡単に  言えば,自らの意思によらなければ権利を取得したり、義務を負ったりするこ  とはない。憲法の自由主義の経済活動の面への表れともいえる。
  原則は「契約自由の原則」などに具体化していく。
 
 2、「所有権絶対の原則」
 ・ 所有権はなんらの人為的拘束を受けない、完全円満な支配権であり何人に対し
  ても主張しうる不可侵な権利
 
 3、「過失責任の原則」
 ・ 過失がなければ責任なし
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 5,私権
  1,私権とは
    公法上の権利である公権と対比される、民法上の私権は一般的な社会生活
   における利益を享受する法律的な力
 
  −分類−
  1、支配権・請求権・形成権・抗弁権
 
  ・支配権:権利者の意思だけで権利の内容を実現できる権利をいう。
       物権がその典型
 
  ・請求権:他人に対してあることを請求する権利。他人の行為を媒介として初め
       て権利の内容を実現できる権利をいう。
       債権がその典型
 
  ・形成権:権利者の一方的な意思表示によって法律関係の変動を生じさせること
       ができる権利をいう。
       取消権や解除権が典型
 
  ・抗弁権:他人の権利の行使を妨げる効力をもつ権利をいう。
       同時履行の抗弁権が典型
 
  2,絶対権・相対権
  ・絶対権:権利の効力がすべての人に及ぶものを言う。
       物権が典型
       例えば
        土地の所有権はそれを侵害するすべての者に対して自分の所有地だ
       と主張できる。
  ・相対権:権利の効力が特定の相手方に対してのみ及ぶものを言う。
       債権が典型  
        債権の効力は債務者にしか主張できないのが原則である。
3、用語の解説
みなす・・・同種の事物でないということの反証をゆるさず、一定の法律
      関係に関する限り両者を同一視することをいう
推定す・・・一応両者を同一視するが、当事者が両者のことなることを証
      明すれば同一の効果を生じさせない
権限 ・・・権利の範囲
権現 ・・・権利の原因
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
Y 私権行使の制限
    −意義−
 私権の行使は、他人に迷惑をかけない限り,すなわち憲法で言う公共の福祉に反しない限りにおいて行使できる。
 
 1,公共の福祉の原則(1条1項)
   −意義−
    公共の福祉とは社会全体の向上発展を意味する。
    私権の社会性を宣言する
 
 2,信義則(1条2項)
    −意義−
 人は当該具体的な事情のもとにおいて、相手から、一般に期待される信頼を裏切ることのないように、誠意をもって行動すべきである、そんな原則である。簡単に言えば、人の信頼を裏切ってはいけないという考え方。
 
 3,権利の濫用の禁止(1条3項)
     外形上正当な権利の行使のようにみえるが、権利の社会性に反し、権利    行使として是認できない場合をいう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
1章 制限能力者制度
 
    過 去 問  
 H11−1 未成年者について   婚姻・遺言・成年擬制
 H1−3 未成年者について   取消と第三者
  肢2
 H2−4 成年被後見人     取消と第三者の関係
  肢1,2  未成年者       成人に達した場合の取消権
 H6−4 被保佐人       取消と無効

 H15-1-1  取消の遡及効
    -2  未成年の婚姻の成年擬制 
    -3  成年被後見人の行為(日常生活に関する法律行為)
    -4  保佐人の同意
 H17−1 権利能力
   肢1 被保佐人       取消と無効
   肢2 意思無能力      取消と無効
   肢3 権利能力なき社団   財産の帰属
   肢4 未成年者       婚姻と父母の同意
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
T 能力
 1,権利能力
  (1)意義
・権利・義務の主体となりうる能力。自然人及び法人に認められる。
・自然人の権利能力は出生に始まる。すなわちすべての自然人は出生と  同時に私法上の権利を享受しうる地位を取得する。
・胎児には原則として認められない。
  ただ民法は特定の場合に、主として胎児の利益を保護するために、
 すでに生まれたものとみなして一定の権利能力を与えることがある。
 
      相続
      遺贈   
      損害賠償
   

 
  胎児にも権利能力が認められる
 
 
        
           胎児は相続において権利能力はない
       これでは胎児の段階では相続をすることはできず
       胎児にとって不公平な結果が生じるおそれがある
       そこで、これを避けるため、法は相続に関して胎児は
       すでに生まれたものとみなしことにしている 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  (2)権利能力の終期
   a,権利能力は死亡によって終了する。
   b,認定死亡
 死亡したかどうかはっきりさせるために、認定死亡という制度がある。炭坑のガス爆発などで、死亡したことは確実だが死体が出てこないといったときには、役所がこれを死亡したものとみなす制度で、一定の役所の責任ある証明によって死亡として戸籍簿に記載しうることになる。
  c,失踪宣告
 死亡の証明がたたず、かつ認定死亡とするだけの事実もない場合、行方不明者をいつでも生存者として取り扱わねばならないとすると、その財産関係や身分関係がいつまでも不確定な状態にあることとなって不都合である。
 そこで一定の条件の下に失踪宣告をして、行方不明者の従来の法律関係を確定させる制度。
―権利能力の終期要件―
・従来の住所または居住を去った者、すなわち不在者の生死が不明であって
・普通には7年間、特別な危難に遭遇した場合には、危難が終わった時か ら1年間継続したとき
・この者の失踪宣告をすることについて法律上の利害関係を有する者が  請求をし
・家庭裁判所が一定の手続きでこれをする
 
            失踪             失踪宣告
       
 普通失踪  
 

 
   
   
           7年間生死不明

 

 
 
   
    死亡とみなす
 
   
 
 
 特別失踪
 
        1年間生死不明

 
 
  死亡とみなす
 
 
 
 
 
 
 2,意思能力
a,行為の結果を弁識するに足るだけの意思能力のない者は、単独で法律行為  をなし得ないものとした。(無効)
 −背景−
 行為の結果を弁識するに足るだけの意思能力のない者に単独で法律行為をやらせると、自由競争の犠牲となる危険がある。
 −問題点−
 意思能力のかけている者(幼児・精神障害のあるもの)の例えば売買・贈与などの行為をしても、その行為当事意思能力のなかったことを証明すればその行為の無効を主張できる。しかし、実際の証明は困難な場合が少なくない。また、証明された場合、意思能力があると思って取引した相手方が不測の損害を被ることにもなる。そこで制限能力者制度を設けた。
b,就業前の幼児は意思能力を有し得ない→贈与の申し込みに対する承諾の
                    意思表示は無効
 3,行為能力
a,自ら単独で、完全な法律行為をなすことができる能力。
b,制限能力者であることを理由として、その行為を取り消してその無効を主  張できる。本人の保護が十分になると同時にそれらの者と取引をする相手  方にこれらの者が無能力であることを知る手だてを用意すれば予め警戒で  きることになるだろう。
c,制限能力者⇒未成年者・成年被後見人・被保佐人・被補助人
 
平成11年改正民法
 T 改正の基本理念
   1,今回の改正では、



 

制限能力者の「自己決定権の尊重」
      「本人の保護」    との調和を図ることがその理念
 



 

従来の制度よりも、より本人の自己決定権を尊重する方向での規定
けられている
 
   2,従来の制度は、


 

硬直的・画一的で十分機能していない面があった。
 




 

そこで、改正法では、判断能力が低下した者の要保護生の程度の相
違に応じて制度の枠組みを多元化すると同時に、柔軟かつ弾力的な
制度を導入している
 


 

精神上の障害の程度が弱いものを対象とする「補助」の制度の創設
 
 
   3,従来の制度の用語には不名誉なイメージが付着していたことから
      無能力者・・・制限能力者
      禁治産者・・・成年被後見人  に変更
      準禁治産者・・・被保佐人 
U 未成年者
  1,定義
    満20歳未満の者(婚姻により成年に達したものとされる){11-1-1,3}
  
  2,能力
    原則:法定代理人の同意なしに、単独で法律行為をすることができない。
      これに反して単独でなした法律行為は、取り消すことができる。
      {2-4-1}
    −同意に要する法律行為−
 性質上未成年者に不利益を与えあるいは負担(債務)を伴うことになる行為、あるいは自己の権利の消滅を来す行為
〔例〕売買、賃貸借、貸金の領収、労働協約、負担付贈与、
   相続の放棄・承認、限定承認、債務の弁済を受ける
      受領能力はない・・受領者が他人の発した意思表示を了知する能力
    例外:次の行為は単独でなしうる。つまり、未成年を理由に取り消すこと       はできない。
a)単に権利を得または義務を免れるべき行為
  負担なし贈与の受諾・金利を下げる契約(但し未成年者が借  主) 書面によらない贈与
b)処分を許された財産についての処分
c)許可のあった場合の営業行為
  主体性が必要(雇用されているだけでは不十分)
  婚姻には父母の同意が要る
d)身分行為の一部 遺言(15歳で可能){11-1-4}
  当事者の意思の尊重すべきだから
 3,法定代理人
  ・親権者(父母が共同で行う、親権者がいない時は後見人・・但し1名)
  ・同意権、代理権、取消権、追認権
V 成年後見制度
   1,定義 {2-4-1}
      @精神上の障害のため事理を弁識する能力を欠く状況にある者が
      A後見開始の審判(家裁)を受けた場合
       本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人
       保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人、検察官の請求
特別法により市町村長も特に必要があれば申し立てることができる
      B常に家庭裁判所が成年後見人を選任しなければならなくなり、その
       選任には改めて申し立てする必要がなくなった
 
   2,能力
      成年被後見人のした法律行為は常に取り消すことができる。
     但し日用品の購入その他日常生活に関する行為については、取り消す
     ことはできない。 未成年者のような営業の許可規定はない
 
   3,法定代理人
     ・後見人(複数人可、法人の可)
     ・代理権、取消権、追認権
 
   4、審判の取消
    ・本人の判断能力の回復により後見開始の原因が止んだとき、本人、配偶者
     四親等内の親族、後見人、後見監督人、検察官の取消請求により取り消
     なければならない。
    ・保佐開始、補助開始移行で職権で取消す。
    ・成年後見人は、成年被後見人に代わって、その居住の用に供する建物
     又はその敷地について売却、賃貸、賃貸借の解除又は抵当権の設定そ
     の他これに準ずる処分をするには、家庭裁判所の許可を得なければな
らない(保佐人、補助人も同じ)
 
 
 
W 保佐制度 
   1,定義
      @精神上の障害のため事理を弁識する能力が著しく不十分な者が
      A保佐開始の審判を受けた場合
       本人、配偶者、四親等内の親族、後見人、後見監督人
      、補助人、補助監督人、検察官の請求
        
   2,能力   
     ・未成年者の能力より大きい
     ・民法が列挙する重要な財産上の行為については、保佐人の同意を要する
      但し、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、取消すこ       とはできない。
 













 

 −民法が列挙する重要な財産上の行為−
  1,元本を領収しまたはこれを利用する行為
     利息・賃料の受領は妨げない
  2,借財・保証
   3,不動産・重要なる財産に関する行為
  4、訴訟行為
  5,贈与・和解・仲裁契約をすること
  6,相続の承認・放棄・遺産分割をすること
  7,新築・改築・増築・大修繕
  8,短期賃貸借を超える期間の賃貸借
     山林10年、土地5年、建物3年を超える賃貸借
  9,12条1項所定の事項以外の行為で家庭裁判所が特に指定する行為
 
 
 
 
 
   3,保佐人
     ・保佐人の同意を得なければならない行為について、被保佐人の利益を
      害する恐れがないにもかかわらず保佐人がこれに同意しない場合に、
      裁判所に同意にかわる許可を求めることとした
 
     ・保佐人の同意を得なければならない行為について、保佐人の同意又は
      これに変わる許可を得ないでした行為は、被保佐人又は保佐人にお
      いてこれを取り消せるものとしている。明文で保佐人に取消権が認
      められた。{6-2-4}
 
     ・被保佐人の申し立て又は同意を要件として、当事者が申し立てた特定
      の法律行為について、保佐人に代理権を付与することができるもの
      とした。 
                                   
W 補助制度
 1,定義
    @精神上の障害のため事理を弁識する能力が不十分な者が、
    A補助開始の審判を受けた場合
    Bこれを「被補助人」としてこの者に「補助人」を付することとした
    C被保佐人よりも事理弁識能力の低下が少ない者を対象とする制度
 
 2,補助開始の審判
    被補助人の申し立て又は同意を要件とするものとし、同意権付与の審判又
   は代理権付与の審判とともにすべきものとした
    この同意権付与、代理権付与により具体的な補助の内容が決まる
 
 3,同意権付与、代理権付与できる行為
    被保佐人が保佐人の同意を得ることを要する行為の一部
 
 4,補助人
  ・補助人の同意を得なければならない行為について、被補助人の利益を害する
   恐れがないにもかかわらず補助人がこれに同意しない場合に、裁判所に同意
   に変わる許可を求められることとした
  ・補助人の同意を得なければならない行為について、補助人の同意又はこれ
   に代わる許可を得ないでした行為は、被補助人又は補助人においてこれを取り
   消せるものとしている
  ・補助人の申し立て又は同意を要件として、当事者が申し立てた特定の法律
   行為について、補助人に代理権を付与することができるものとした
 
 
 
 
 
 
 
X,制限能力者の行為を理由とする法律行為の取消
  1,取消の効果は行為のときに遡って発生し,すでに履行されている場合は返還
    義務が発生する。
 
  2,返還義務は、現に利益を受ける範囲内で負う。
 現存利益は、利益が有形的に現存する場合だけでなく制限能力者の受けた利益が彼らのために有益に消費されて財産の減少を免れる場合を含む。
 例えば、
   生活費にあてた場合は現存利益があるといえる。
 
  3,無能力を理由とする取消に基づく無効は、善意の第三者にも対抗することがで     きる。1-3-2
 
  4,取消権者
     制限無能力者本人(法定代理人の同意なくして、単独で取り消せる)
     代理人(任意代理人を含む)、保佐人、補助人
     本人の承継人(相続人等)
 
  5,取消権の消滅時効
     追認が可能となったときから5年(取消による現状回復請求権は
                     10年間存続)
     行為のあった時から20年    6-2-3
     法定代理人の取消権が時効により消滅すれば、本人の取消権も消滅する。
 
 
 
 
 
 
 
Y 追認
     ・取り消すことのできる法律行為の追認は、その法律行為を取り消すか、
      追認するかについて、自由で正常な判断ができる状態になった後にし
      なければならない
 つまり、
制限能力者及び瑕疵ある意思表示をした者は
「取消の原因たる状況の止みたる後」

 

 
詐欺・強迫を脱した後
制限能力者が能力者となった後
 にしなければならない。それは取消うべき追認という不安定な
事態を避けるためである。上の状況以前になされた追認は無効。
 
     ・法定代理人が追認する場合は別に制限なし
     ・成年被後見人が能力を回復した後に、自ら追認するための要件
        成年被後見人になした行為を知って追認しなければならない
         (成年被後見人一般についても同様)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
Z 取消うべき行為の相手方の不安定な地位を解決する制度
  
  
  









  
  制限能力者の相手方に関する特別規定
  ・催告権
  ・制限能力者が詐術を用いた場合の取消権の排除
    <要件>
    @「能力者たることを信ぜしめるための」
    ・能力者であることを信じさせる目的をもってしたことを要する
    ・保護者(法定代理人・保佐人)の同意があったと誤信させようと 
     した場合を含む
    A「詐術を用い」たこと
    B相手方が能力者だと信じ、あるいは同意者の同意があったと信
     じたこと。
 
  一般規定
     ・法定追認



 
 取消うべき行為について社会一般から認められるような一定
事実があった場合には(黙示の追認と思われても仕方がないよ
な事実)、取消権者の意思いかんを問わず、法律上当然追認と
なす(擬制)のが法定追認
                 ↓
         取消権の存在を知ってなすことは、必要ない。
          成年に達してからの代金受領
                 ↓
        本条は法律関係を安定させることを目的とする制度だからで
       ある
        但し、成年被後見人については「了知」が要求されている
     ・取消権の消滅時効
どちらかが、取消した場合、どちらかが追認した場合
           又は
法定代理人の取消権が5年の時効で消滅した場合
         →   どちらの取消権も消滅
 催告権
 −背景−
 制限能力者と取引をする相手方は長い間不安定な状態におかれるばかりでなくこれを基礎とする一般社会の取引関係も不安定な状態におかれる。
 民法は相手方に制限能力者に対して、最後通達を発する権限を与え、制限能力者がこれに返答をしなくとも取消又は追認の効果を生ぜしめ、相手方を不確定な状態から救い、一般取引関係を安定させる途を講じた。
 
 −行使− 
  誰に対して催告をすればよいか  

 

 

 

 
 未成年者・成年被後見人
 と取引をした者

 
被保佐人・被補助人と
取引した者

 

 
       *  
 
   
   法定代理人・保佐人・補助人   「保佐人・補助人の同意
を得て追認しろ」との旨
を本人へ


 



 

 

 

 

 
 1ヶ月以上の期間を定めて、「取り消すのか否か」の確答を促す
 (1ヶ月未満は無効)

 

 

 
              返事がない場合  

 

 

 
   追認したことになる    取消したことになる  
 
     *特定の法律行為をなすには、その補助人の同意を得ることを要する
      旨の審判を受けた被補助人
 法定追認
   追認権者の意思いかんを問わず、社会通念上追認と認めうるような事実があ
  れば、追認をしたことになる





 
  強制執行
  更改
  全部又は一部の履行
  履行の請求
  担保の供与
  取消得るべき行為によって取得した権利の全部または一部の譲渡

 

 

 
  例えば、未成年者が単に成年者になったからといって、当然に確定的に有効
 となることはない
 
 
\、制限能力者の保護者の権限




 
本人 保護者 対象行為 同意権 代理権 取消権 追認権
未成年者 法定代理人(親権者・後見人 特定の行為以外のすべての行為
成年被後見人 成年後見人 原則としてすべての行為 ×
保佐人 保佐人 一定の行為
補助人 補助人 一定の行為
 
 
 
 
 
 
  ],無効・取消
 

    無     効

      取      消

a、効力のないものとされるために
  まず特定の人の主張を必要とし
  ない(当然効力なし)
  最初から当然に効力を有しない

  まず特定の人(取消権者)の主張
  (取消)があってはじめて効力が
  なくなる(取消してはじめて効力
  なし

b,すべての者は、最初から効力が
  ないものとしてとり扱われる
  (全然無効)

  取消のない間は効力あるものとし
  てとり扱わねばならない
  (一応有効)

c,放置しておいても効果に変更が
  ない(時の経過によって補正さ
  れない)


 

  放置しておくと有効に確定する
  (取消権の消滅)
  だだし取り消されると最初から効
  力のないものとなる
    (取消の遡及効)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
2講 法律行為
 



































 
  過 去 問  
  H1-3-1 詐欺
    -4 強迫と第三者
  H2-3-3 錯誤(重過失)
    -4 通謀虚偽表示と第三者
  H3-2  強迫と第三者
  H4-2-3 詐欺(第三者の詐欺)
    -4 詐欺
  H5-3  通謀虚偽表示
  H6-2-1 公序良俗
    -2 錯誤(重過失)
    -3 詐欺
  H7-4-1 通謀虚偽表示(第三者)
  H8-5-1 詐欺 -2 錯誤(重過失)
    -2 公序良俗
  H10-7-1 第三者による詐欺
    -2 強迫と第三者
    -3 心理留保
    -4 錯誤
  H12-4  通謀虚偽表示
  H13   錯誤
  H14-1-1 第三者の詐欺
    -2 取消の効果
    -3 法定追認
    -4 第三者に対抗できない
  H16-1-1 心理留保
    -2 通謀虚偽表示
    -3 第三者の詐欺
    -4 強迫

  H17   錯誤
    -1 重要な要素の錯誤
    -2 動機の錯誤    相手方に対し表示した場合
    -3 重過失
    -4 意思表示者以外の錯誤の主張
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
0 法律関係
  ・法律上の関係のことをいい、それは権利義務の関係と言い換えることができる







 

   法律の規律を受ける生活関係を→法律関係
             ↓
   そこでは、一定の法律要件が存在すると
             ↓
  権利の発生、消滅等の法律効果が生じる 
               権利の発生・変更・消滅
 

   私的自治の原則の行われる現行法において
  最も重要な法律要件である法律行為
         法律上の効果を発生させる生活関係
                   ↓


 

  意思表示という法律事実を要素としている
 


 
 




 
 


 

 権  利
 


   対応関係

 義  務
 


 
    〜できる            〜しなければならない
 
・法律関係というのは、裁判所を通じて強制することができる権利と、そのよ
  うな負担を法的に負わされる義務との関係を意味する。




 
   法 律 関 係  
             
    法 律 要 件    法 律 効 果  
      〜ならば              〜である
   
     
  ・法律効果とは、一定の権利義務の発生・変更・消滅を指す。




 
   法律行為(意思表示を重要な要素とする法律要件)
     契約 申込の意思表示→
        承諾の意思表示←
     単独行為(所有権の放棄など、取消、解除遺言、債務免除)      一人のなす単一の意思表示により構成される法律行為
         →  相手方のある単独行為  相手方のない単独行為
    
     合同行為(会社の設立)→←
      数人が共同して同一目的に向かってする意思表示の結合によって成立する法律行為  
        
     決議(株主総会等)
     協約(労働協約等)
法律要件  















 
   準法律行為(意思表示を要素としない)
    ・意思の通知 制限能力者の相手方のする催告
           債務の履行の催告
    ・観念の通知 債権の譲渡の通知
           社員総会の召集通知
             代理権を与えたものの表示
 
  事件(人の精神作用に基づかない事実)
       時の経過・人の死亡
 
   違法行為
            ・不法行為
            ・債務不履行
 
 
 
 
 
T 法律行為
 意思表示によって権利の発生、変更、消滅などの「法律効果」を発生させる行為
 
U 客観的有効要件
 
  1,契約内容の有効要件

   
 

    確定可能・実現可能・適法性・社会的妥当性
 


 

 

 






 

・契約内容が確定していなければ法的な助力を与えるわけにいかない 
 ので無効
・実現不可能な契約も同様に保護に値しない
・法律に違反するような契約もそもそも保護にすべきではない
・社会的に妥当とは言えない契約も無効
 






 
            社会的妥当性
 2,公序良俗とは「公の秩序」又は「善良の風俗」に反する事項を目的とする
          法律行為は無効
  −意義−
   ・国家社会の一般公共的利益及び社会の一般的論理
 3,公序良俗違反行為
@ 絶対的無効 {H6‐2‐1、H8-5-2}
A 追認は不可
B 公序良俗違反は無効であるから、その行為に基づく履行の請求はできな  いが、 公序良俗違反が履行された場合は、現状回復は現状として許さ  れない。(90条・708条)
   公序良俗違反行為につき法的保護を拒否することでそのような行為の  防止を 狙っている
V 主観的有効要件
  1,意思表示
    −意義−
     ・意思表示というものは,表意者が一定の法律効果の発生を欲する
      意思を外部に対して表示する行為で、一般に効果意思、表示意思
      表示行為の3つの部分から成り立っている
 




  
 
 

  
 

動機
 
 
効果意思
 
 
表示意思
 
 
表示行為
 


 

 

 

 
            意 思 表 示    
 
 
動機  :なぜそのような契約を締結しようと思ったか
効果意思:この建物を買おうと思うこと
表示意思:建物を買おうと表示しようと思うこと
表示行為:この建物を買いますと表示すること
 
・ 効果意思と表示行為が一致していれば問題ないが、不一致の場合、 表示に合わせた形で契約の内容を考えていくべきか、それとも効果
 意思に合わせた形で契約の内容を考えていくかが問題
・ 表示を中心にする考え方を表示主義
     ・ 効果意思を中心にする考えを本人の意思を尊重するということから
      意思主義                            














 

 

 原   則

  例   外

 心理留保

 

  有効 ※

 

  無効
相手方が悪意有過失の場合は無効主張可

 通謀虚偽表示

  無効

  有効 ※

 錯誤

  無効

  有効 ※

 詐欺

  取消しうる

  有効 ※

 強迫
 

  取消しうる
 

  なし
 

表示主義
 意思表示の本体
 を表示におき、
 表示があれば原
 則として有効
 
 無印 意思主義
 意思表示の本体
 を内心の意思に
 おき意思と表示
 との不一致は原
 則として無効

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 T意思の欠缺(表示と内心的効果意思の不一致) 
 (1)心裡留保
  −意義−
 意思表示の表意者が、表示行為に対応する真意のないことを知りながらする単独の意思表示のことをいう
  −原則−
 例えば、AがBに対して、自分の建物を売る気が全くないのに、「1000万円で建物を売ってあげる」といったような場合である。
 この場合、本人は内心と表示の不一致を知りながら、いわば冗談半分で意思表示をしているのであるから、本人を保護する必要性がない
 結論:表示を信じてしまった相手方を保護するということで原則有効
 
 例外:相手方が真意を知っているか、又は知ることができたとき、すなわち悪意又は有過失のときには、その契約を法的に保護する必要がないため、契約は無効 (H10-7-3)
 
 

A        B        C
心裡留保   悪 意     善 意
 
      内心と表示の不一致を知っている                            94条2項類推適用
 
 Aは心裡留保による無効を善意Cに対抗することができない(Cは無過失、またAに対して登記不要。但しAは悪意Cに対抗できる)
 
 
 
 
  (2)通謀虚偽表示 {H5-3、H7-4}
    −意義−
      相手方と通じて真意でない意思表示をすることをいう。
    −原則−
 例えば、財産隠しとか税金逃れのために自分の所有している不動産を人の名義に移してしまうような場合がこれにあたる。
 結論:この場合、当事者間においては何ら効力は生じなく無効
この無効は善意の第三者に対しては対抗しえない。
(Cは無過失不要またAに対して登記不要。但しAは悪意Cに対抗できる)
{H7-4、H2-4、H5-3}
J第三者とは?
・当事者及び包括承継人以外の者を言う。
・包括承継人とは相続人などのことで、すべての権利義務を一括包 括的に承継する人
・虚偽表示の外形について、新たな独立の法律上の利害関係という ものを要求している。新たに利害関係に入った者でないと第三者 にはならないし、独立の利害関係がなければならない。さらにそ れは法律上の利害関係がなければならない。
      ・取立てのために債権を譲り受けたものは、虚偽表示の当事者から
       独立した利益を有する法律関係に入った者とはいえず、第三者に
       当たらない。(大.9.10.18)
        
 
 
 
 
 
 
 
 
―第三者の例―
  @不動産の仮装譲受人からさらに譲り受けた者や、その土地にさら   に抵当権を取得した者

           売却
 A      B       C 譲受人

          抵当権
 A      B       C 抵当権者
 
 
    ―第三者に該当しない例―
       @土地が仮装譲渡された場合の土地の上の建物の賃借人

          建物の賃貸借
        B       C

  土地の仮装譲渡
 A     B
 
     解説  これは法律上の利害関係を有しているとは言えないから。
 その建物の賃貸人は、建物については法律上の利害関係を
 もちろん持っていますが、仮装譲渡された土地に関しては、
 事実上の利害関係があるだけで法律上の利害関係がないため。
 
    
 
 
 
 
 
 ―転得者―
 
      A     B     C     D    
                  悪意    善意
                          {H7-4-4}
 
 悪意の第三者からの善意の転得者は保護されるか?
◆結論:第三者に含まれるから
◆理由:転得者の取引の安全を保護すべき要請は直接の第三者と変    わらない
 
 





 
  コーヒーブレイク  
  相対的構成説・・・虚偽表示の効力を第三者ごとに相対的に判断
           する考え方
  絶対的構成説・・・善意の第三者が現れれば絶対的に所有権が移転
           するとの考え方
 
 
      A     B     C     D    
                  善意    悪意
                          {H5-3-4}
 
 善意の第三者からの悪意の転得者は保護されるか?
◆結論:保護される。ひとたび善意者がでれば後の者は保護される
◆理由:法律関係の早期安定と簡明さ。
 
 
 
 
 
  (3)錯誤
     ―意義―
・表示に対応する意思が欠缺し、しかも意志の欠缺につき表意者 の認識が欠けていることをいう。
・この場合の無効は表意者が無効を主張したときにはじめて意思 表示の効果が失われるという意味で、きわめて取消に近い性質 を持つ。
 したがって、これは取消的無効と呼ばれることがある。
 
     ―要件―
      ・法律行為の要素に錯誤があることである。
            ↓表意者保護を図りつつ、相手方の利益の調和を図る趣旨




 

 その契約の重要な部分であり、もしその錯誤がなければ表意
者のみならず一般人もそのような意思表示をしなかったであろ
うような場合。
 
(例)
 ドルをポンドの価値が同じだと思い込んで、ドルで買うつもりでポンドと言ってしまった場合、これは意思表示の重要な内容です。
 
      ・表意者に重過失の存在しないこと。本人を保護することはバランスを欠く
            ↓{H2-4-3.6-2-2.10-7-4.13-2-1,4}
       通常の一般人に期待される注意を著しく欠いていること。
 
 
 
 
 
 

   
   

 
 
 
 
 

動機
 
 @ 
   
 

効果意思
 
 A 

 

表示意思
 
 B

 

表示行為
 


 
 
     @動機の錯誤
       偽物を本物だと思って買ってしまうような場合
                 ↓
この絵を買いたいという効果意思
この絵を買いたいという表示意思
そして表示行為もあるから
                 ↓
           意思表示の過程の問題ではない
                 ↓
錯誤無効を主張し得るかは重大な論点
 
   
 
  A内容の錯誤
   効果意思と表示意思の間に錯誤があることで、例えばドルとポンド
  の価値が同じだと思い込んでしまった場合
 


  



  


 
  B表示上の錯誤
     表示意思と表示行為の間に錯誤がある場合で、1ドルで買うという
    つもりが、つい間違えて1ポンドで買うといってしまったような場合。
     言い間違い 書き間違い
  錯誤無効の場合に当たる
 
 
 
 
 
 
    [動機の錯誤]{H13-2-3}
      ―判例―
原則 :動機は意思表示の内容ではないため、錯誤無効にはならない
例外的:動機を意思表示の内容とした場合には要素の錯誤となり    える
 例えば、ブランド物のバックを本物だと思って買おうとしたときに「これは本物ですよね。本物なら買いますよ」と動機を相手側に表示したときは「本物だから買う」という動機が意思表示の内容となり、もしそのバックが 偽物だった場合は錯誤無効の主張ができる。
 2,まとめ
 


 
  心裡留保   原則 有効
  (冗談)   例外 相手方が悪意または有過失のとき無効
 
  意思の欠缺     通謀虚偽表示 無効


 
  (共謀)
 
  錯誤     要素に錯誤ありたるときは、無効とした
(勘違い)
―錯誤無効の主張―
@表意者に重過失あるときは、表意者が無効を主張できない。 相手方、第三者も「常に」無効を主張しえない
A表意者が無効を主張(できるのに)しないときは、相手方も 「常に」無効を主張しえない
B表意者が無効を主張(できるのに)しないときは、相手方以外 の第三者は{H13.2.2}
 a,表意者に対する債権を保全する必要があり
          かつ
 b,表意者自身が錯誤を認めている場合
     でない限り、無効を主張しえない
 3,瑕疵ある意思表示
    ―意義―
     ・内心の意思と表示は一致しているが、その内心の意思を決定する過程
      に瑕疵がある場合
 
  (1)詐欺による意思表示は取り消すことができる
    ―意義―
・詐欺とは→人を欺罔して錯誤に陥らせる場合である。
 簡単に言えば人をだまして契約を締結させてしまうこと。
・すなわち表意者がその結果に甘んじるときは、意思表示の効力に影 響はないが、表意者が民法の保護の影響を受けようと欲すればそ  の意思表示を取り消してその効力を否定することができる。
 

 
    A
意思表示をする者
      B
意思表示の相手方
      C
 善意の第三者

 
     

       

 
   


 
     取消可能
 
    有     効  
 
         詐欺の事実を知らない第三者Cに対し
         ては、Aは取消の効力を主張できない
                           {H8-5-1.10-7-1}
 
 
 
 
 
 
   <第三者による詐欺>
        

 
   詐欺師C  

 

 
    A
意思表示をする者
      B
 意思表示の相手方

 
   
        Cにだまされて意思表示    取消可能   Cの詐欺を知っている場合
                       {H4-2-3,4}
 
        

 
   詐欺師C  

 

 
    A
意思表示をする者
      B
 意思表示の相手方

 
   
        Cにだまされて意思表示    取消不能   Cの詐欺を知らない場合
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
    ―取消前の第三者の保護―
     ・詐欺取消は善意の第三者に対抗できない
               ↓
詐欺による意思表示を前提として新たに独立、
法律上の利害関係を作るに至った者をいう。
     ・第三者としては無過失はいらないし登記も不要
 
    ―取消後の第三者の保護―
 
         @       B売却
      A        B         C

         A取消
 
 
    <判例>
 第三者はたとえ悪意であっても保護される。
それは、取り消したにもかかわらず登記を元に戻さないAよりも、
Cの方を保護すべきだという価値判断が働いている
 
  (2)強迫による意思表示は取り消すことができる
強迫…相手方にある意思表示をさせるため不当に害悪を示して他人   を畏怖した結果意思を決定し表示させようとする行為をなす   こと 恐怖心を生ずること
 
強迫もこれによる取消を善意の第三者に対抗しうる
                ↓    {H3-2,10-7-2}


 
強迫を受けた者には落ち度はなく(詐欺の場合は被欺罔者にも落ち
度がある)善意の第三者に対しても取消をもって対抗できるとして
強く保護したかったため
 
4,発展論点
 (1)94条2項の類推適用

 不動産の所有者が、他人名義の登記がなされているのを知りながら放置し
 ていた場合、登記名義人から譲り受けた第三者は所有権を取得するか。
 

 この登記に公信力がない以上、原則として第三者は所有権を取得しない。
 また、「通謀」がない以上、94条2項を直接適用することもできない。
 

 しかし、これでは取引の安全を害することになる。
 

 以下の理由から、94条2項を類推適用して第三者を保護しうると解する
 思うに、同条項の趣旨は、権利外観法理に求められる。
 @虚偽の意思表示はなくとも虚偽の外観が存在し
 A通謀はなくとも虚偽の外観作出について真の権利者に帰責性がある
 場合には
 Bその外観を信頼したものを保護しうる
 そして、Bについては、真の権利者の意思と第三者の信頼の基礎となった
 外形が対応することから、真の権利者の帰責事由が大きく第三者は善意で
 あれば足り無過失を要しないと解する。
 
 
 
 
 
  5、第三者に対する主張 {H1-3}
   
          売   却        さらに売却
      A        B        C(過失は問わない)




 

 Aが善意の第三者C
 に対抗できる場合

 




 

・制限能力者を理由とする取消
・錯誤による無効
・強迫による取消
 




 




 

 AがCに対抗できな
 い場合

 




 

・通謀虚偽表示
・心理留保による無効
・詐欺による取消
 




 
 
  6、隔地者に対する意思表示について到達主義の原則(97条)
 
    「到達」・・・相手方の「了知可能な状態に置かれたことを意味」し
           相手方の「勢力範囲(支配圏)内におかれることを以って
                足りるものと」解される
 
    @表意者が通知を発した後に死亡しても、意思表示の効力は妨げられない
   

 
 例外 (97条2項)
    契約申込の意思表示は、その発信後到達前に
           相手方が申込者の死亡の事実を知ったときは
           効力を生じない 
 
    A公示による意思表示は
      表意者が相手方の所在を知らないことについて過失がある場合には、
     到達の効力を生じない
第3講 代理制度
 





























































    

   
 
   過 去 問  
    H2-5-1 無権代理人の責任
     -2 双方代理
      -3 代理人における取消権
      -4 相手方の取消権

    H3-3-1 代理人の能力
     -2 代理行為の瑕疵の例外
     -3 自己契約
     -4 双方代理

   H4-3-1 無権代理の効力
     -2 無権代理の効力
     -3 相手方の取消権
     -4 追認の効果

   H5-2-1 相手方の取消権
     -2 相手方の保護
     -3 取消権と追認
     -4 無権代理人の本人相続

   H6-4-1 代理人の能力
     -2 表見代理(権限ゆ越)
     -3 追認の相手
     -4 代理権の消滅事由

   H8-2-1 双方代理の例外
     -2 表見代理(権限ゆ越)
      -3 詐欺による取消権
      -4 代理権の消滅事由

    H9-1-1 本人の追認
     -2 相手方の取消権
     -3 催告権
     -4 無権代理人の責任



  H11-7-1 追認の相手方
     -2 催告権
     -3 表見代理(権限ゆ越)
     -4 表見代理の成立(無権代理の責任)

   H12-1-1 代理人の能力
     -2 復代理
     -3 自己契約
     -4 代理権の消滅

   H13-8-1 顕名主義
     -2 代理行為の瑕疵
     -3 代理人の権限
     -4 復代理

   H14-2-1 代理人の錯誤
      -2 表権代理
     -3 未成年者と任意代理
     -4 代理と二重譲渡




   H16-2-1 日常家事債務と不動産取引
     -2 追認
     -3 無権代理人の相続(共同相続の場合)
     -4 無権代理人を相続した本人の責任

   H17-3-1 代理権の有無と相手方の保護
     -2 代理権消滅後の票権代理
     -3 本人の追認

 






































































 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
0、趣旨
  
1)人の社会活動の拡張の作用を営む(任意代理)
 これによって本人は代理の知能を利用してその活動の効果を収めることができる。
 今日資本家が、数十の企業に関与し、その活動範囲が全世界にわたることができるのは、全く代理制度に負う。
    
2)代理は社会的活動の補充の作用を営む(法定代理)
 これによって権利能力はあるが、意思能力がないため
 自分で法律行為をすることができない幼児や精神病者がその権利能力者たる実行を収めることができる
    
3)代理は意思表示
 代理は代理人が多少の範囲の自由裁量を認められ自分の考えで意思を決定するものである
 本人自身の意思表示を必要とする制度においては代理は認められない
   例:婚姻・結婚・認知 など身分上の行為が多い
    
4)代理人が行った意思表示以外の行為
 仮にその効果が本人に及ぶことがあっても代理ではない
<例>
 本人の被用者が(代理人)が本人の業務を行うに当たって
 相手方の権利を侵害しこれに損害を与えたとすれば
 本人に損害の責任があるが(使用者責任)それは代理ではない
 
 
5)任意代理と法定代理
―任意代理―
・本人の依頼を受けて代理人となるもの
・委任契約、組合契約、雇用契約、請負契約
―法定代理―
・本人に対して一定の地位にある者が当然代理人となる場合
   例:未成年の子に対する親権を持つ父母
・協議又は指定によって定まった者が代理人となる場合
   例:父母の協議による親権者
・裁判所の選任する者が代理人となる
   例:不在者の財産管理人
<取引形態>
    ―通常の取引―




 




      権利義務関係





 
       意思表示
 
    −代理取引−


 


 




 法定代理―法律の規定による代理権
          任意代理―本人による代理権の授与
 



 



 
1,要件
   @本人の為にすることを示すこと(顕名主義)
   A意思表示をなし、または受けること
   B代理権の範囲内にあること
 
 
2,効果
  ・代理人の意思表示の効果は直接本人に帰属する
   いったん代理人に帰属したうえで本人に移転するものではない
    −例−
     ・代理人が詐欺されたときの取消権→本人がこれを取得する
・代理人がさらにこれを代理して行使できるかは、その代理人の代理
 権の範囲によって定まる
 
3,顕名主義(H13-8-1)
・本人の為にすることを示すこと
・顕名しない代理行為は行為者(代理人)に帰属する。
・顕名しない場合において相手方が本人の為にすることを知っていた場合、 
本人に帰属する
      → 顕名がない以上、契約の効果は代理人に帰属するはずである                         ↓
        しかし、相手方が代理人の代理意思を知っている場合には
        あえて代理人の犠牲において契約を代理人との間で成立さ
        せる必要はない
 
 
 
 
 
 
4,代理人の能力(H3-3-1,6-4-1,12-1-1)
  @代理人は能力者たることを要せず
   ―理由―
a,代理行為の効果は本人に帰属し、代理人には帰属しないことから
 (代理人の保護を考える必要がないから)、代理人に行為能力を要
  求する必要がない
b,本人が任意に代理権を与えた以上、後になって本人が代理人の制限  能力を理由に代理行為の効力を否認する可能性を排除しようという  のがその趣旨
A但し、代理人は意思能力必要(意思能力がないときは、法律行為としての 効力を認めることができない)
 
 
5,代理人の権限
  @法定代理人…法定代理人について定めた法律の規定による
  A任意代理人…本人がどの範囲まで代理行為を頼んだかによる
   定めなき場  保存行為→財産の現状を維持する行為。(H13-8-3)
   合           家屋の修繕
          利用行為→収益を図る行為。客体の性質を変じない範囲
               現金を預金する
          改良行為→使用価値、交換価値を増加する行為。
               客体の性質を変じない範囲
               家屋に電気・ガス・水道を設置すること
     →以上総称して管理行為といい、処分行為と対比される
 
 
 
 
 
 
 
6,自己契約・双方代理の禁止(H2-5-2,3-3-3.4、8-2-1、12-1-3)
  @趣旨
 自己契約、双方代理が禁止されるのは、事実上一人が契約することになって、本人(または当事者の一方)の利益が不当に害されるから。
 
  A自己契約
 一個の法律行為において一方の当事者が相手方の代理人となり代理行為をすること。
 <例>Aからあるものの売却について代理権を与えられているBが、
    自らその買主となって契約すること
 
  B双方代理
 同一人が一個の法律行為における当事者双方のそれぞれの代理人となって代理行為をすること
 <例>Aからあるものの売却について代理権を与えられているBが、
    買主Cの代理人もかねてAC間の売買契約を締結する。
 
  
  C自己契約・双方代理が許される場合
 本人(又は当事者双方)に不利益をもたらさない場合は禁止する必要なし
  a,債務の履行
  b,本人の予め許諾
  c,新たな利益の交換でない行為、売買に基づく登記申請行為
 
 
7,代理権の消滅事由(H8-2-4,12-1-4)
 







 
       本人      代理人






@ 死亡
A 破産




 
@ 死亡
A 破産
B 成年被後見人
C 相互解除,授権行為で
   定めた消滅事由の発生
D その他
   目的たる内部関係の消滅







 
       本人      代理人






@ 死亡





 
@ 死亡
A 破産
B 成年被後見人



 
 
 
 
 
 
8,代理行為の瑕疵(H3-3-2、8-2-3)

 
 @ 代理において、法律行為をなす者は代理人自身であって、本人はその法
  律効果の帰属を受けるだけである。
   したがって、


 
 心裡留保・通謀虚偽表示・錯誤があったかどうか
 詐欺・強迫を受けたかどうか
 善意だったか悪意だったかについて
 


 
 法律行為に影響を及ぼすいわゆる法律行為の瑕疵
の有無は、本人ではなく代理人について決定すべ
きことになる

 
 代理人が相手方と通謀して虚偽の法律行為をした
場合には本人が善意であってもその行為は無効
 
 
本人は94条2項の第三者にあたらない
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
A しかし、特定の代理行為が本人の意思によって決せられた場合には、
 代理人が知らなくても本人が知っていれば、本人は代理人の善意を主
 張できない。(H13-8-2)
 
   ―例―
    甲が建物に欠陥があることを知っていた場合、甲は丙に対して損害賠償
   の請求あるいは契約の解除をすることができない。甲が悪意だとしたら、
   たとえ乙が善意でも認められない。
 
     甲(本人)         丙
       

 
        建物の売買契約

 
     乙(代理人)
 
B代理人乙が相手方丙に詐欺を行ったとき
     ⇒丙は甲の知・不知を問わず常に取り消しうる
 
C本人甲が相手方丙に詐欺を行ったとき
     ⇒丙は乙の善意・悪意にかかわらず、常に取り消すことができる
9,復代理人(H12-1-2、13-8-4)
@復代理人は直接本人の代理人。
 
A復代理人を選任しても、原代理人は代理権を失わない。代理人、復代理人 ともに本人の代理人である。
 
B復代理人の代理権は、原代理人の代理権を基礎として認められたものである。 したがって、
a,復代理人の代理権の範囲は、復代理人選任の際の授権行為によって定  まるが、原代理人のそれを超えることはできない。
b,原代理人の代理権が消滅すれば、同時に復代理人の代理権も消滅する。
 
  C復任権
     法定代理の場合    任意代理の場合
復任権
の有無


 
  常に復任権がある



 
原則:復任権がない
例外:本人の許諾があるときか、
       または
    やむを得ない理由のあるとき
    に限り復任権がある


 責



 任




 
原則:復代理人の行為につ
    いて全責任を負う
  (選任・監督の過失の有
   無を問わない。
   無過失責任)
例外:やむを得ない事由の
   あるときに限り、選    任・監督についてのみ    責任を負う
   (過失責任)

 
原則:復代理人の選任・監督につ    いて、過失のあるときのみ
    責任を負う(過失責任)
例外:本人の指名により復代理人
    を選任した場合はその復代
    理人が不適任・不誠実であ
    ることを知っていながら、
    そのことを本人に通知し
    なかったとき、または、復
    代理人を解任しなかったと
    きのみ責任を負う
 
10,無権代理行為
 (1)構造
 代理人による代理行為がなされたにもかかわらず、代理権がない場合を無権代理という。
 代理人による代理行為がなされたというのは、顕名があったということである。もし、顕名なくしかも権限なく他人のものを売買するとこれは、他人物売買ということになる。
 つまり、
A代理人Bという名前で、権限がないのにAの土地を売ってしまったりする場合、これを無権代理と呼ぶ
 
    無権代理の効果  

 

        NO
     顕名あるか  










 

 
YES
        YES
    代理権あるか  







 

 
NO
 
     無権代理  

 

        YES
     本人の追認あるか  
  NO
 
見代理
成立

 
無権代理
人の責任

 
相手方の
取消権

 
催告権
 

 
有権代理
 

 
代理行為
でない

 
 
 
               表見代理
     無権代理    
               狭義の無権代理
 
               追認の拒絶…確定的に無効
     狭義の無権代理    
               追   認…契約のときにさかのぼって有効
 
 (2) 代理権を持たない者が代理人と称して行った法律行為(無権代理行為)は
   無効であり本人には何の責任もない。(H4-3-1.2)
 
 (3)無権代理人の相手方の保護(H2-5-3.4、4-3-3.4、5-2-1.3、6-4-3、9-1-1.2、
                11-7-1.2)
催告権…本人が催告の期間内に確答しない場合、追認は拒絶されたもの      とみなす
    悪意でも認められる
取消権…本人の追認がない間においてのみ、相手方は取り消すことがで     きる。本人の追認権と相手方の取消権は、いわば早い者勝ちと      なり、どちらか早い方に確定する。
    善意のみ認められる
追 認
  ◆追認は相手方に対してなしても無権代理人に対してなしても良い。
  ◆ただし、無権代理人に対してなされた追認は
(1) 相手方が知るまでは、相手方に対して追認の効果を主張    することができない。ただし、無権代理人に対しては主張で
  きる。
(2) 相手方から追認のあったことを主張することは可能。
    本人の追認があると、相手方と特別の約束をしない限り、この代      理行為は、はじめにさかのぼって有効だったものとして扱われる。
 (4)無権代理人の責任(H2-5-1、5-2-2、9-1-4、11-7-4)
  @代理人の代理権を証明できないこと
  A本人が追認をなさないこと
  B無権代理人が制限能力者でないこと
  C表見代理が成立しない
  D相手方が自称代理人に代理権のないこと
   について善意無過失であった
  E相手方が取消権を行使しない






 

  無権代理人は、相手方の
 選択に従い
  契約の履行責任
    または
  損害賠償責任を負う
 






 
 
 
11,表見代理


 
・相手方が権限ありと誤信するについて正当事由(善意・無過失)
 を有している
・本人に帰責性あり


 
   
  本人は無権代理であることを主張できない  
 
 (1)表見代理の種類
   ・代理権授与表示による表見代理
    ―要件―
 あたかも代理権を与えたかごとくの表示をした場合に、その表示から代理権の存在を信じた相手方を保護しようとするものである。
     よって要件は次の通りである。
@他人に代理権を与える旨を表示したこと(したがって、法定代理人に
 は適用されない)
A代理権を授与された旨表示された人が、表示を受けた第三者と、
  表示された代理権の範囲内で代理行為をしたこと
B相手方の善意無過失
      法定代理には適用されない
   ・権限ゆ越による表見代理(H6-4-2、8-2-2、11-7-3)
    ―要件―
 本人が何らかの基本代理権を与えられていた場合に認められるもので、
     おもに基本代理権の存否が問題となる。
 @基本代理権の存在
 Aその権限ありと信ずるべき正当の理由(善意・無過失)
 
   ・代理権消滅後の表見代理(H6-4-4)
    ―要件―
 会社の代表者が代表者たる地位を辞任したにもかかわらず、依然として代
     表者として行動していた場合などに問題となる

 
 @かつて代理権を有した者の代理行為であること
 A相手方が、代理権の消滅について善意無過失であること
 
 表見代理で保護される第三者は直接の相手方に限られるか
 94条2項における場合と異なり、転得者は自己の前者が
権利者であることを信じることはあっても、無権代理人に代理権が存
するという信頼を有することは通常考えられない
  なぜなら
  転得者は無権代理人と直接取引した者ではないのだから、
 代理権の存在に関して信頼を寄せるということは一般に生じ
 ないからである。
  したがって
   転得者は表見代理によって保護される第三者には含まれない
 
   表見代理の趣旨は代理権の存在を信頼した者を保護を図る点にある
   代理権の存在を信じることはできるのは通常行為の直接の相手方のみ
 (2)無権代理人が本人を相続した場合
     結論:追認拒絶できない
 
     理由:信義則。無権代理行為を行った者 ???自身が追認を拒絶することは
        信義に反する
           
            A A死亡
 
      B相続
          @無権代理行為
 
        B        C
 
 (3)本人が無権代理人を相続した場合
    結論:追認拒絶できる
 
    理由:相続がなければ本人はその不動産を失うこともなかったのであり、
       相手方も、せいぜい無権代理人から損害賠償をとることしかでき
       なかったのであるから、相続という偶然の事情により、本人が不当
       に扱われるべきではない。ただし、金銭債務の履行は拒めない。
 
 
      A
    B相続
 
              @無権代理行為
 
    A死亡 B        C
 
 
 
(4)無権代理人を本人とともに共同相続した者がその後さらに本人を相続した場合
          
       無権代理人(最初に死亡)

 

 
     
     甲        本人(後の死亡)
 
    結論:甲は追認拒絶できない
 
    理由:甲は最初の相続で無権代理人の地位を承継し、後の相続で本人の地位を
       承継しているのであるから、結局は無権代理人が本人を相続したケース
       と同じだとする。  
 
(5)無権代理人と共同相続人が本人を相続した場合
 
        本人

 

 
     
    甲     無権代理人
 
   結論:共同相続人全員が共同して追認権を行使しない限り、無権代理行為は
      無権代理人の相続分に相当する部分についても有効にならない。
 
   理由:無権代理行為を追認する権利は、その性質上相続人全員に帰属する。
 
 
 
 
 
12,表見代理が成立する場合にも相手方は無権代理人に対してその責任を
    追及できるか
 
    結論:表見代理が成立する場合にも、相手方は無権代理人に対してその
       責任を追及できる
 
    理由:@表見代理は相手方保護の制度であって、無権代理人の責任を免れさ
        れるための制度ではない。
 
       A表見代理が成立しても、本人としては自らの意思表示で代理権を授
        与したものではないがゆえに任意に債務を履行しないことが考えら
        るし、特に為す債務については本人自身が真摯に債務を履行しなけ
        れば契約成立の効果を本人に帰属させた意味がないこと。
        (為す債務:絵を書くとか歌を歌う債務
 
       Bそのような場合には、表見代理が成立したとしても、相手方になお
        無権代理人の責任を追及いうる選択肢を与えるのが妥当
第4講 条件・期限・期間及び時効
 








































 
   過 去 問  
    H1-2-1 確定判決
     -2 時効の中断時期
      -3 訴えの取下げ
      -4 相殺と時効

    H4-4-1 占有の継承
     -2 時効の要件
     -3 所有者からの承継人
     -4 他主占有

   H9-4-1 期限の定めなき債務の時効の起算日
     -2 確定判決後の時効の起算日
     -3 援用権者
     -4 時効中断事由

   H10-2-1 占有の継承
      -2 代理占有
      -3 所有者からの承継
      -4 効力

   H11-6  停止条件

   H12-2-1 援用権者
      -2 物上保証人の承認
      -3 時効中断
      -4 時効中断の効力発生時期

   H15-2-1 停止条件の効力
      -2 停止条件の効力
      -3 相続による地位の承継
      -4 故意に条件が成就することを妨げた者の行為

   H16-5-1 前主の瑕疵の承継
      -2 前主の瑕疵の承継
      -3 相続による新権原
      -4 取得時効の要件 所有の意思
   H17-4-1 所有権自体の時効は成立しない
      -2 抵当権の時効
      -3 時効による債権の相殺
      -4 時効完成後の承認
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 T,条件
  1,概念
 法律行為の効力の発生又は、消滅を将来の不確定な事実の成否に
かからしめた法律行為
  2,有効要件
    @条件に親しまない行為
1)家族法上の行為(例:婚姻・縁組・相続の放棄・承認)
    <理由>身分秩序を不安定にし、公序良俗に反するから。
    <判例>離婚すれば自分と婚姻すべき旨の予約
2)単独行為(解除・取消・追認)
    <理由>相手方の地位を著しく不安定にするから
もっとも「1ヶ月以内に履行しないときは、あらためて解除の意思表示をすることなく契約を解除する」というように、相手方に著しい不利益を生じないときは許される(通説・判例)
 
    A不法条件
      不法の条件を付した、あるいは不法行為をしないことを条件とする
     法律行為
 
    B純粋随意条件
      債務者の意思だけにかかる停止条件付法律行為(例:気が向けば払     う)は無効
 
 
 
 
 
 
 
 
  3、期待権
    @条件付法律行為の条件の成否未定の場合
      条件成就によって利益を受ける当事者の利益に対する期待を法的に
     保護するものである
 
 
    A期待権には独立の財産権としての性質がみとめられる
      「一定の規定に従い」  
        処分
        保存(仮登記、時効中断)
        担保
   

 
  することができる
 
  
    B 条件の成否未定の間においても、条件成就によって生じる相手方の 利益を侵害してはならない。
 
  4,条件の成就 (H11-6-1)
    @停止条件・・・条件成就から法律行為は効力を生じる
            条件成就の効力は原則としてさかのぼらない。※
                         
 
   契約効力発生
 
       契約時             条件成就
 
    A解除条件・・・条件成就から法律行為は効力を失う
            条件成就の効力は原則としてさかのぼらない。※
 
             契約効力発生     
      
   契約効力消滅 
 
       契約時             条件成就
 
    ※当事者が条件成就の効果をその成就以前に遡らしむる意見を表示した
     ときは、その意見に従う
    B既成条件(過去の客観的に確定していた事実を条件とする場合)
 
条件の成否が当事者に明らかになったなら
                     ↓

 
遡って、法律行為当時すでにそれが明らかだった場合
と同様に扱う
 
     つまり次のように扱う


 
  条件が成就している場合 条件が不成就に確定してる場合
停止条件     無条件        無 効
解除条件     無 効       無条件
 
    C条件成就の妨害(H11-6-2 H15-2-4)

 
条件が成就すれば不利益を受ける当事者が
故意に条件成就を妨害した場合

 
相手方条件が成就したもの
と見なすことができる
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  4,過去問(H11-6)

AとBは、A所有の土地をBに売却する契約を締結し、その契約に「Aが
からマンションを購入する契約を締結すること」を停止条件としてつけ
た(登記の手続きは行っていない)
場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはど
か。
 
1 停止条件の成否未定の間は、AB間の契約の効力は生じていない
 
2 AB間の契約締結後に土地の時価が下落したため、停止条件の成就に より不利益を受けることとなったBが、AC間の契約の締結を故意に妨 害した場合、Aは、当該停止条件が成就したものとみなすことができる。
 [民法130条]
 条件の実現により不利益を受ける当事者が、ことさら、条件の実現を妨げたときは、相手方は条件が実現したものとみなすことができる。
 
3 停止条件の成就未定の間は、Aが当該A所有の土地をDに売却して所 有権移転登記をしたとしても、Aは、Bに対して損害賠償義務を負うこ とはない。
 [民法128条]
 条件付法律行為をした当事者は、条件が実現されることによって利益を受ける相手方の立場を尊重し、条件が実現するかどうか不明の間に、その利益を害するようなことはしてはならない。
 
4 停止条件の成否未定の間に、Bが死亡した場合、Bの相続人は、AB 間の契約における買主としての地位を承継することができる。
 [民法129条]
 当事者は、条件が実現するかどうかはっきりしていなくても、条件の実現により得られる権利義務をその性質に従って処分し、相続し、担保の目的とすることができる。
U,期限
1,概念
 法律行為の効力の発生・消滅または債務の履行を将来到達することの確実なる事実の発生するまで延ばす場合のその事実
 
2,条件との相違
   条件…成就するか不明な事実
   期限…必ず到来
 
  3、種類
    種類    内     容  履行遅滞時期
@ 確定期限 いつ到来するかはっきりしている  期限の到来
A
 
不確定期限
 
いつ到来するかはっきりしない
 
 債務者が期限の到来
 を知ったとき
B 期限の定めなき    催告後
 
 
 
 4、期限の利益
   @意義

 
 期限が到来するまでの間、法律行為の効力の発生、消滅、または債務
履行が猶予されることによって、当事者が受ける利益のこと。
     ―例―
 借金をした債務者が期日までお金を返さなくても良いという利益
 これが期限の利益である。
 そして一定の場合には、この期限の利益を失う場合がある。
 
 
 
 
   A喪失
a、債務者が破産宣告を受けた場合
b、債務者が担保を壊してしまった場合
c,債務者が担保を提供する義務があったにもかかわらず、これ  を提供しない場合
     d,期限の利益喪失約款
 
   B放棄

 
期限の利益を有するものは
  原則:その利益を単独で放棄することができる
しかし、相手方の利益を害してはならない
     具体的にいえば
      ○月○日までに弁済するという約束のもとに利息付きで金銭を借りた
     債務者は弁済期前に返済すること(これを期限の利益の放棄)ができる
が、その場合、弁済期までに予定されている利息をつけて返済しなけれ
ばならない
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 V,条件・期限をつけられない法律行為
 条件または期限をつけると、その法律行為の効力の発生、存続が不確定なものになることから、条件・期限をつけることが禁止される場合がある
 


 
  公序良俗、強行規定
  に反する行為
  例:身分行為(結婚等)


 
 相手方の同意を得ても
 付けられない
 


 
 


  
  相手方の地位を著しく
  不利にする場合
  例:相殺、取消、追認等


 
 相手方の同意を得たと
 きは許される
 


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
W,時効
 0,制度趣旨
 一定の事実状態が一定期間継続した場合、この状態が真実の権利関係に合致するものかどうかを問わないで、法律上この事実状態に対する法律効果を認める制度(他に真実の所有者があってもその主張を許さない)
 

           
 

 事実 
 
  通 常
       
  時 効

  法律関係
 


 
 
  1,存在理由
@永続した事実状態の尊重
長期間継続した事実状態を法律上においても尊重することにより社会秩序・法律関係全体の安定を図るということ
A権利関係の立証の困難な救済
  証拠の散逸などによる立証の困難を救済してやろうというもの。
B権利の上に眠る者は保護に値せず
 
  2,種類
     a,取得時効
     b,消滅時効
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  3,取得時効
@意義
 権利がないにもかかわらず一定期間権利者として振舞うことによって当該権利を取得する制度
 
A対象
  所有権 地上権 地役権 賃借権
 
 
B取得にいたる占有期間
    a,20年の取得期間
・20年間権利者としての意思を持って平穏かつ公然に他人のものを占 有すれば権利を取得できる
 
 b,10年の取得時効
・aの要件の他に占有のはじめが善意無過失であれば、10年間で所有  権を取得できる
・占有は代理占有でもいい(H10-2-2)
・占有の途中で悪意になったとしても20年にならない
 
C占有(H4-4,10-2)
取得時効を成立させるためには所有の意思をもっていないといけない
借家人が20年以上家賃を払って住み続けても建物を時効取得しない
   D占有の承継(H4-4,10-2-1)
 占有の期間は相次ぐ数人の占有を合わせたものでもよい
 ただし、前者の占有を承継する場合には、前者の悪意も承継する
 




 

   A        B
   悪意   譲渡   8年
  12年占有
 

   BはAの12年+自己の8年=20年
  占有することによりこの土地を時効
 取得する
 
 




 

   A        B
   悪意  譲渡 善意・無過失
  3年占有      11年占有
 

   Bは善意・無過失だから10年の
  時効取得できる。
必ず合わせる必要なし
 
 
 
   E登記との関係
    @)        Cに譲渡   時効完成
 
 
 
 
    A所有 C
    B占有
 
    BはCに対して登記なくして時効取得を主張できる
 
    A)               時効完成   Cに譲渡
 
 
 
 
 
 
    A所有C
    B占有
 
    BとCの所有権の主張は登記の有無で決する
  3,消滅時効
 
    @意義
 一定期間権利を行使しないことによって権利が消滅することを認める制度
 
    A対象
      債権 地上権 地役権
 
    B期間
           債権は原則として10年     行使しないと
消滅時効にか
かる
     権利を    
 
            債権又は所有権を除く財産権は20年  
     
     ※訴訟になった場合
       確定判決後は消滅時効は一律10年(H1-2-1、9-4-2)
 
    C起算点
      ・権利を行使することが可能になったときから進行
 
  確定期限
  不確定期限
 期限が到来したときから進行
 
  期限の定めがない  債権が成立したときから進行
 
 
    D履行遅滞と消滅時効の各起算点
 
     遅 滞 時 期  消 滅 時 効 起 算 点
 確定期限
 債  務
 期限到来時
 
 期限到来時
 
不確定期限
債   務
 
 期限の到来を債務者が知った
 ときから
 
 期限到来時

 
期限の定め
なき債務










 
 履行の催告時
<例外>
@返済時期の定めのなき消費貸借   催告後相当期間経過後


 

A不法行為に基づく損害賠償債務
   不法行為時


 
 債権発生時
    (H9-4-1)
@返済時期の定めのなき消費貸借
 @)催告ある時
   相当期間経過後 
 A)催告なき時
   成立から相当期間経過後

A不法行為に基づく損害賠償債務
 @)損害及び加害者を知った時
   から3年
 A)行為の時から20年
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  4,時効の援用
 
@時効期間が満了しても時効の主張は当然には生じない
 
A当事者が時効の援用(主張)しなければ時効を理由として裁判をす ることができない
 
B永続する事実状態を尊重するという時効制度の本来の趣旨と当事者 の意思の考慮との調和を図ろうとするもの
 
C援用権者(H9-4-3、12-2-1)
  @保証人
  A連帯保証人
  B物上保証人
  C抵当不動産の第三取得者
 
  
  5,時効利益の放棄
 
@時効の利益を受けるのを潔しとしない者の意思を尊重して時効利益 の放棄制度がある
 
Aただし、時効の利益はあらかじめ放棄できない
 
B時効完成を知らずに債務の弁済などの自認行為をなし、後に時効が 完成したことを知った場合、あらためて援用できるか。
◆結論:できない(判例)
◆理由:相手方は債務者はもはや時効を援用しないとの期待を    しているため、援用することは許されない
  6,時効の中断
 
@「消される」「取得される」側の人達はたまったものではない
 そこでこれを防ぐには時効を中断させる必要がある
 
A時効の進行中の中断事由が生じると、それまで経過してきた時効期間は 効力を失い、時効は進行しない
 
B中断事由が終了すればそのときから新しい時効が進行する。
 つまり、振り出しに戻る
 
C中断事由
  @,請求
 @裁判上の請求
訴えの棄却・却下または取消の場合、
中断事由にならない(H1-2-3)
A支払督促、和解のための呼び出し・任意出頭・破産手続き参加
B催告
      相手方に義務の履行を求める意思の通知である。
      催告にも中断の効力は一応あるがそれだけでは、確定できず
      6ヶ月以内に@Aがなされないと中断の効力は失われる。
      (H
  A,差押、仮差押及び仮処分
 
  B,承認
     ・被保佐人は単独で承認をなすことができる
     ・未成年者・被成年後見人は単独で承認できない
 
 
 
 
     C,自然中断
        ・占有を任意に中止したり、占有を奪われた場合、取得時効は
         中断される。但し、占有を奪われた時から、1年以内に占有
         回収の訴えを提起すれば占有は継続する。
 
  7,時効の遡及効
 
   @時効の効力は、その時効の起算日にさかのぼって及ぶことになる
                ↓
消滅時効の場合
 時効期間中の遅延損害金を払う必要はない
取得時効の場合
 時効期間中の占有は不法占拠ではなくなる。
 前主から所有権などを承継するのではなく、あくまで時効完成とともに法律上当然にはじめから所有者であったことになってしまう。(原始取得)
第5講 物権序説・所有権(共有)
 
























 
   過 去 問  
    H3-5-1  共有物の変更
     -2  賃貸借の解除
      -3  分割
      -4  特定承継人に対し

    H4-12-1 管理費
      -2 明渡請求
      -3 持分の放棄、相続人無くして死亡
      -4 分割請求

   H6-3-1  費用負担
     -2  改築
     -3  損害賠償請求
     -4  分割請求

   H8-3-1  物権変動
     -2  相続人に対して
     -3  二重譲渡
     -4  物権変動(第三者対抗要件)

   H9-2-1  持分譲渡
     -2  持分放棄
     -3  使用・収益
     -4  分割請求
 
 
 
 
 





















 
   H11-2-1 隣地使用権
      -2 境界設置権
      -3 竹木の根
      -4 目隠し

   H13-1-1 持分譲渡
      -2 明渡請求
      -3 明渡請求(不法行為者)
      -4 分割(価格賠償)

    H15-4-1 持分譲渡
      -2 保存行為
      -3 持分の放棄
      -4 分割請求

    H17-8-1 売主死亡と対抗要件
      -2 買主と売主の相続人からの譲受人の対抗関係
      -3 解除の不可分性
      -4 解除の不可分性


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 T,物権
  0,全体像
     物に対する権利を物権という
 

























 
 
         物権法序説  
 
物権とは
物権法定主義
          
 
     
 
         物権変動   
 
物権変動とは
不動産物権変動
          

 
     

 

 
         本  権     占有権(所有自体)

 
 
  所有権(使用価値、交換価値)









 

 

 
    用益物権      地上権
地役権
永小作権
入会権
  (使用価値)          
            
 

 
            

 
  担保物権     抵当権
質権
留置権
先取特権
非典型担保
        (担保価値)


 
 
 

 
 

























 
 
 1,概念
    物権とは一定のものを直接支配し利益を受ける排他的権利
    これに対して債権は、一定の人をして一定の行為をなさしめる権利
 
   直接支配権(物権)
 
      請求権(債権)




 
  権利の内容の実現につき他人の
 行為の介在は不要であり、従って
 債務者の存在はなく、誰にでも主
 張できる。
 (人と物との関係)→(絶対性)




 
  権利の内容の実現につき他人の
 行為の介在を必要とするから、債務
 者を特定し、債務者に対してのみ請
 求できる
  (人と人との関係)→(相対性)
 




 
  一度ある人のために支配が成立
 すると同一物については、もはや
 両立しえない他の人の支配を認め
 ることができなくなる(排他性)
 →故に公示が必要




 
  債務者に対してのみ一定の行為
 を請求できるだけだから、同一物
 の給付を目的とするときでま同時
 に二個以上の債権が併存し得る
 →排他性がない
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
   @ 物の直接支配性
 物権は一定のものを一定の人が支配する権利であるが、その場合の支配は第三者、人を介在した者ではなく、物に対して直接的に支配をしている。
 債権の場合には売買契約の目的物に対して買主は売主の行為を通じてその物を引き渡してもらうことになる。
 

 

 
 

 

 

 

      <物権の場合>          <債権の場合>  

                        引渡債務
       所有者          債権者        債務者 
                       間接的支配       
 直接的支配者

                         
        建物                     建物
 





 




 
   A 法的保護の絶対性
@物に対する支配状態を侵害する者がいた場合、それが何人であれ、その侵害行為は違法となり、その侵害行為に対して法的保護が与えられる。
 
Aすなわち、単に債務者のような特定の人のみに対して主張できるだけでなく、すべての人に対してその物的な支配を主張することができる。これを物権の絶対性という。
 
B債権は特定の債務者に対してしか主張できないという点で相対的な権利だといわれているが、物権はすべての人に対して主張できるという意味で絶対性があるという。
 

 
 





 

    <物権の場合>           <債権の場合>     
     ○主張できる            ○主張できる
  所有者       売主     債権者          債務者
         ○                 ×
            第三者A               第三者A
          ○                  ×主張できない
            第三者B               第三者B
 
 
 B 排他的
 同じものの上には全く同じ内容の物権は成立し得ないということを意味する。ただ物権自体は目に見えないため、その物に物的な支配が及んでいるかを公示しなければ取引の安全が害されてしまう。
             ↓
 そこで、本来は物権は排他性を有しているのであるが、取引の安全のため、公示がない限り排他性を第三者に対して主張できないとされている。
 ⇒これを公示の原則という
             ↓
      つまり所有権を取得した者であっても、その旨、登記しなければ自分      が所有権を取得したということを第三者に対して主張することはできな      いのである。
 





 
 
  本来  物権    排他性あり  

                取引安全の要請から修正
  修正  物権 + 公示    排他性あり  
 
 
 U 物権法定主義
  (1)概念
 民法をはじめとする法律に定めたもの以外は、当事者が合意で勝手に物権をつくりあげてはいけないという規定である。これは、債権における契約自由の原則に相応する概念で、物権法定主義と呼ばれる。(強行規定)
  (2)根拠
    @近代所有権の確定
 封建的な物権を認めないということ
           ↓
 勝手に物権を創設してもよいということになると、封建的な物権をつくりあげて弱い対場の者を虐げる者が出てくることにもなりかねないだろうという危惧感である。
    A取引の安全
 当事者が勝手に新たな物権を創設できることになってしまうと、その公示方法が確定できない。
                ↓
      取引の安全が害される
 
 V 物権変動(H3-4,7-2,8-3-1,9-6,10-1,13-5)
  (1)定義
      物権変動とは、物権の発生・変更・消滅のことをいう。
      「物権の設定及び移転は当事者の意思表示のみに因りてその効力を生
       ず」(176条)つまり、物権変動は意思表示のみで足りる。
 
  (2)物権の発生
      物権は様々な原因で発生する。
      ―例―
・建物を新築することによって建物所有権が発生する。
・売買や相続に伴って、物権が自分の所に移転してきたことによ って、自分のもとで所有権が発生する。
 
  (3)物権の変更
      物権の変更とは、物権の内容が変更すること。
      ―例―
       抵当権が第一順位から第二順位に変更すること。
 
  (4)物権の消滅
      目的物の滅失、放棄、契約の取消・解除、混同
 
  (.5)混同による消滅
    @所有権と他物権の同一人への帰属により、その他物権が消滅する場合
 
        地上権者A              A
 
           地上権
                Aが土地を取得    地上権消滅

 

 

 

 

 
        地主B              地主A
 
    A所有権以外の物権とこれを目的とする他物件の同一人への帰属により
     その他物権が消滅する場合
 
        地上権者A   C          A   A
 
     地上権      抵当権       地上権    抵当権は消滅
                AがCを相続

 

 

 

 

 
        地主B              地主B
    ―例外―
 物またはいずれかの物権が、第三者の権利の目的となっている場合、混同が生じない。
 
 W 物権変動に必要な行為
  (1)意思主義と形式主義
 民法176条で、意思表示のみで物権変動が生じる。
 つまり、意思表示だけで所有権は移転し、登記は対抗要件に過ぎない。
 
  (2)物権変動に対抗するための要件(H8-3-4)
 意思表示のみによって生じた物権変動を、第三者に対して対抗するためには
不動産…登記
動 産…引渡し
                をしなければ、その物権変動は完全なもの
               ではないとしている。
    ―登記なしに対抗できる―
     ・詐欺、強迫によって登記の申請を妨げた者
     ・他人のために登記の申請義務を有する者
     ・無権利者
     ・不法占拠者
     ・背信的悪意者
 
    民法177条「不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法の
   定めるところにしたがって登記しなければ、これをもって第三者に対抗
   することができない」としています。
先に所有権移転登記を受けたものが他に対して自分が所有者であると主張できるということです。
この効力を登記の対抗力と言います
 


 
 
 

  所有権の移転や抵当権の設定など物権変動は、当事者の意思表示のみに
よってその効力が生じますが、その効力は未登記のままでは不完全であっ
て、登記を経て初めて完全な権利を取得したと言える。
 
 (2)「第三者」の範囲
 登記がなければ対抗できない第三者とは当該不動産につき「正当な利益を有する第三者」を言うのであって、無権利者や不法侵略者に対しては、真実の権利者は登記なくして自分の権利を主張することができます。
 
 (3)悪意の第三者
 
         売却
     A        B

      売却
             
C
               
  Cが、既にBが当該土地を買い受けた
ことを知っているにもかかわらず二重に
買い受けたのだとすればBは登記なくし
Cに対抗できるのではないかという問
題 がある
                         ↓
               
               
               
  しかし、判例や通説はこのような場合
Bは登記を経ないとCに対抗できない
としている。
                         ↓
  これは実際問題としてどの程度CがBへの売買の事実を認識していれば
 Cの悪意を肯定できるのか非常に困難であるから。この困難な事実の認定
 によって対抗力の有無を決するとすれば、不動産取引の安全は害されるこ
 とになる
 
 
   (3)所有権移転時期
      原則:契約が成立した時に、直ちに物権変動の効果が生じる。
 
      例外:@不特定物売買や他人物売買などのように、契約時に、物権変          動を生じるにつき障害がある場合には、その障害が除去され          たときに所有権が移転する。 
         A当事者が所有権移転時期につき別段の特約をしたときには、          それに従う。         
 
      理由:@, 176条の文理
         A, 法律関係が明確になる。
         B, 同時履行の抗弁権等により、不当な結果は生じない
 
 
 
 X 公示の原則と公信の原則
  (1)公示の原則
 物権変動を第三者に公示するためには、対抗要件が必要であるという考え方。すなわち、物権変動を外界から認識しうるもの、すなわち、公示を要求するという考え方。
 
  (2)公信の原則
 真の権利状態とは異なる公示が存在する場合、その公示を信頼して取引してしまった者を保護し、公示通りの権利状態を認めてあげるという考え方
 わが国において、取引の安全を保護するが、同時に真実の権利者に損失を与えることになるから、軽々しく認めることはできない。
 民法は動産について認めた
 不動産についてはこれを認めていない。
 
 
  (3)登記されるべき物権
    a,不動産物権
    b,物権以外の権利で登記を要するもの
       @不動産賃借権  A不動産買戻権  B採石権
  (4)登記を必要としない
       占有権、 留置権、 入会権
       一般先取特権(特別担保を有す債権者に優先するには登記を要し
登記能力もある)
 
 W 物権の一般的効力
  (1)優先的効力
a,物権相互間では先に成立したものが内容の衝突した後の物権に優先する
b,同一人物につき債権と物権とが併存するときは物権が優先する
 
 
 
  (2)物権的請求権

 
 物権の円満な状態が侵害されたときに、この侵害者に対してその侵
害の排除を請求する権利
                   ↓
 
    自力救済は禁止されている
                   ↓
 
   公権力の助力を求める
                   ↓
 
妨害者に対する請求権が認められるのである
                   ↓
 
民法は占有権についてだけこのことを規定している
 
 
 
 
  ―意義―




 
  物権的請求権  


 

物権をもつ者がその妨害の排除
などを請求
 
 ・物権の内容の円満な実現が妨害され
 ・又はそのおそれを生じさせている者
   に対して
 
 
 
     物権的返還請求権
     物権的妨害排除請求権
     物権的妨害予防請求権
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
Z 所有権
  (1)法律的特性
 所有権は物を全面的に支配しうる物権であり、その特性として以下のものが挙げられる。
a,所有権は、現実的支配(占有)と区別され、物を支配することがで きるという権利である。
b,所有権は物を全面的に支配する権利である。物に対する使用価値、 交換価値の双方を支配する。
c,所有権は時間の経過によって消滅することはない(消滅時効にかか らない)
d,所有権は用益物権や担保物権によって制限されることがあってもそ れらの制限が消滅すれば元の状態に戻る性質がある。
e,所有権は何人にも主張しうる。妨害をなすすべての者に対してその 排除を主張しうる。
 
  (2)相隣関係
     @意義
  相隣関係は、隣接する不動産の所有者相互の利用の調整を図る
 ものである。
 
     A地役権との関係
       地役権と酷似するが、相隣関係が法律により定められた所有権の       内容そのものの当然の拡張・制限であるのに対して地役権は当事者       間の契約によって生じる所有権の拡張・制限であり、その内容も契       約によって定まる点で両者は異なる。
 
 
 
 
 
 
     B種類
      @、隣地使用に関するもの
       a,隣地使用権(H11-2-1)
・ 建物の修繕などで、隣地に立ち入らなければできないことが 多い。このような場合のために隣地に立ち入る権利が認められ る。ただし隣人の承諾を得なければその住家に立ち入ることは できない。
  隣地の使用・・・相手の承諾もしくは承諾に代わる判決が必           要
・ いずれの場合でも隣人が損害をこうむった場合には償金を支 払う義務を負う。
 
      b,隣地通行権
       ・ 他人の土地に囲繞されて公路に通じないいわゆる袋地の所有者は、         公路に至るために囲繞地を通行する権利がある。
  * 袋地の所有者は、登記がなくても隣地通行権を主張できる。
  * 通行の場所及び方法
   通行権者のために必要で、かつ囲繞地のために損害の最も
         少ないものを選ばなければならない
         * 承諾は不要
       ・ 償金の支払い
         通路開設のために生じた損害・・一時に支払い

 
  その他の損害・・一年ごとに支払い可
  通行権者が償金の支払いを怠っても、通行権は消滅せず
          通行拒否はできない。
          (理由)
            通行権は公益の配慮から法律上当然に認められたもの
           だから
       ・ 分割(共有地)・一部譲渡により、袋地を生じた場合、他の分
       割者の所有地又は譲受人の所有地だけを通行できる。               
 
     A、水に関するもの
      a,排水に関するもの
・ 土地の自然の高低によって水が自然に流れる場合には低地の所  有者はこれを忍容すべき義務がある。
      b,流水に関するもの
・ 流水が所有地内を貫流するときは水路及び幅員を変じ池などを 作っても差し支えない。ただ隣地に流れ出るところで自然の水路 にかえせばよい。
・ 境界に沿って流れるときは水路及び幅員を変えることはできな  い。
    
     B、境界に関するもの
      a,界標設置権(H11-2-2)
        ・ 相隣者が共同して界境及び囲障を設置できる。
      b,囲障設置権
        ・ 設置・保存の費用は半分ずつ負担する
        ・ 囲障の種類はまず協議により、それによって決定できなければ
         板塀又は竹垣で高さ2mとする。
      c,境界線を越えた竹木(H11-2-3)
・ 枝は切るよう請求できる。
・ 根は自ら切除することができる。
      d,境界線付近の工作物(H11-2-4)
・ 建物は境界から50cm以上離すこと。
       ・ 境界から1m未満の距離において他人の宅地を観望できる窓         又は縁側を設けるときは目隠しを付すべきである。
 
 
 
 
 
 [ 共有      民法レジメの一部です
   (1)共有の法律関係(H9-2-3)
共有物の全部について持分に応じて使用できる。土地を全部使ったり、1年おきに使ったりという意味
    @持分権(H3-5-4,4-12-3,9-2-1)
(ア)各共有者の持分は、合意又は法律の規定で決まるが、不明
        ときは均等と推定される
(イ)共有者の一人が持分を放棄したり相続人なくして死亡した場   合その持分は他の共有者にその持分に応じて帰属する。
A 持分1/3 → 1/2
B 持分1/3 → 1/2
C 持分1/3 → 相続人なくして
                            死亡
(ウ)持分権は自由に譲渡又は放棄することができる。しかし共有物  全部の譲渡は、全員の同意が必要である。
  (H9-2-2,13-1-1)
   (2)共有物の管理・変更・処分(H6-3-1)
@各共有者はその持分に応じて管理の費用を負担しなければならない。
 共有者の一人がこの負担義務を1年以内に履行しない場合は、 他の共有者は相当の償金を支払ってその持分を取得することが できる。
 
A共有者の一人が管理費用等を立て替えた場合の他の共有者に対す る債権は、その特定承継人(持分の譲受人)に対しても行使でき る。
 
 
 
 
B管理等の行為と共有者の同意
       (H3-5-1.2,4-12-1.2,6-3-2.3,13-1-2.3)







 
  行為の区分    具体的・内容    要 件
   保 存

 
修繕・明渡請求・妨害排除
公租公課・所有名義人への
登記抹消請求
 各共有者が単独
 でできる
 
   管 理
 
整地・改装・賃貸借契約の
解除
 持分の価格に従
 い過半数で
   変 更
  処 分
建物の増改築・土地の転用
売却・抵当権の設定
 全員の同意
 
 
  (3)共有物の分割(H3-5-2,4-12-4,6-3-4,9-2-4)
    @各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる。
(ア)特約によって分割しない旨を定めることができる(不分割特約)  が分割禁止の期間は5年以内
 
(イ)不分割特約は更新できるが、やはり期間は5年以内
 
    A分割は上記の協議によるのが原則である。
(ア)協議が整わないときは、裁判所に分割を請求できる。
   はじめから協議をすることができない場合をも含む。
   (協議に応じる意思のないことが明らかな場合、共有者の一部が    協議に応じないため全員として協議をすることができない場合)
 
     (イ)分割の方法(H13-1-3)
        現物分割・・・各共有者に共有物を分量的に分割する方法
        価格賠償・・・各共有者の一人が共有物全部を取得し、他の
               共有者に相当の金銭を支払う方法
        代金分割・・・共有物を第三者に売却し、その代金を各共有者
               に分割する方法
 
    B利害関係人の分割への参加
(ア)分割の結果についての利害関係者(地上権者・抵当権者等、及び  共有物の債権者)は自己の費用を持って分割に参加することができ  る。
(イ)利害関係者の参加請求にもかかわらず、その参加を待たずに分割  した場合、共有者は分割の効力を利害関係者に対抗することができ  ない。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
第7講 用益物権・占有権
 T,用益物権
  1,概念
     土地を利用する制度
 
 U,地上権
  (1)地上権の取得
@ 地上権とは、他人の土地において、建物その他工作物、又は竹木を所 有するためにその土地を使用することを内容とする物権をいう。
 
A 地上権は一般には当事者間の設定契約によって取得されるが
取得時効
相続
遺言
法定地上権の成立
 
  (2)地上権の譲渡、目的土地の転貸
 地上権者は、土地所有者の承諾なしに目的土地を賃貸し、また地上権を譲渡することができる。
 
  (3)区分地上権
 地上権は、地下もしくは地上空間の上下の範囲を定めて、工作物を所有するために設定することができる。
 
  (4)地代の支払
@ 地上権は、有償、無償を問わない。
 
A 地代を定めた場合、地代を引き続き2年以上滞納したときは、地主は 地上権の消滅を請求することができる。
 V 地役権
  (1)地役権の取得
@ 地役権とは、他人の土地を通行・引水のためなど自己の土地の便益 のために利用することを内容とする物権である。そして、他人の土地(利用される土地)を承役地、自己の土地を要役地と呼ぶ。
 
A 地役権は、設定契約によって取得されるほか、相続、遺言、譲渡に よって取得される。
(ア)地役権の譲渡は、要役地と分離することができない。
 
  <要役地・承役地の分割・一部譲渡>
 要役地、承役地が分割・一部譲渡された場合、原則として地役権は、その土地の各部分の上に存在する
 
(イ)土地の共有者の一人が時効で地役権を取得したときは他の共有者も地  役権を取得する。すなわち、地役権の取得、消滅は、要役地の共有者全  員に共通である。(地役権の不可分性)
 
                   a,Aが地役権を時効取得するとBCも
       道 路          共に地役権を取得する。


 
  D       b,Aが自己の持分についてだけ地役権
       を消滅させることはできない
 
 共 有 者
  ABC
 
 
 
 
 
 
 
 
  (2)地役権の性質
@ 要役地と承役地は常に存在していることが必要であるが、隣接し ている必要はなく、その遠近を問わない
 
A 地役権は承役地の排他的な支配を目的としない。つまり地役権を設定 しても、その行使を妨害しない範囲では、承役地所有者や他の要役権者 の使用・収益も可能である。
 従って、地役権者は地役権の行使について妨害の予防・排除を求めるこ とはできても、承役地の返還を求めることはできない。
 
          
       
       



 
 B   不法占拠者           Aは、Bに土地の返還を請求することは
      できない



 
 C
地 役 権
 
      B 地役権の時効取得
         継続かつ表現のものに限られる
         ・継続・・権利の内容が間断なく実現されているもの
         ・表現・・権利の内容が外部から認識されうるもの
 
 
 
 W,占有権
 



 

 所有権などの法律的支配とは別個に、事実上の支配状態である占有を基
礎とする特殊な物権である占有権がなぜ認められるか
 



 

 人が物を支配している場合、何らかの根拠・裏付け(本権)があって、
物を支配しているのが通常
 



 

 しかし、ときには、こうした裏付けなしに、つまり、法律によるあるべ
き状態に反している場合がある
 



 

 この場合、この解決を私人の力に任せておくと、力の強い者が勝つとい
う形で社会秩序が害される危険がある
 



 

占有だけを基礎にして一定の法律効果を与えようとした制度
(占有権)

 
   <効果>
 そこで、法律にあるべき状態に反している場合でも、自力救済を禁止し、とりあえず、現在の状態を維持しておくことが必要な場合がある。
 
@ 現実の占有者は、所有者であったり、賃借人であったりすることが多 いが、所有権その他の本権の証明が困難な場合には、現在の状態を維持 すること、??つまり権利存在の外観を保護することによって、本権 の証明の負担を免除??することにもつながり権利者の保護という結 果をもたらすことにもなって??いる。
 
A 一定期間の占有を続けることによって、一定の要件を満たすならば、 所有権の取得が認められるものの、
 
B 前主の占有を信頼した者を保護する即時取得という制度も、事実上の 支配である占有を出発点とする秩序維持のための制度
 
   <占有訴権>
・ 占有者が占有を妨害され、または妨害される恐れのある場合に、妨害 者に対して妨害の排除を請求する権利を占有の訴えまたは占有訴権とい う。
     占有が社会秩序を維持しようという制度であるが、
      占有が他人により妨害され、または妨害される恐れがある場合に、そ
     れを排除しまたは予防する措置を用意しておかないと、社会秩序の維持
     の機能は十分に発揮されない。
また、占有は通常何らかの権利(本権)に基づいてなされることから。
     すれば、占有の背後にある本権の保護にもつながっている
   ―種類―
占有保持の訴え
占有保全の訴え
占有回収の訴え
 
   ―占有訴権と本権の訴えとの関係―
・ 占有の訴えは、本権の訴えとは次元を異にするので、占有の訴えと平行し て本権の訴えを提起することもできる
・ 一方で敗訴した場合に改めて他方の訴えを提起することもできる
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 <占有の移転>
     引渡前の状況    引渡後の状況
 現実の引渡
 
   A    B
   ●
   A    B
        ●
 簡易の引渡
 
   A    B
        ●
   A    B
        ●
 占有改定
 
   A    B
   ●
   A    B
   ●
 指図による占有
 移転
 
     C
     ●
   A    B
     C
     ●
   A    B
 
@現実の引渡
  普通の売買・・現実に物が動く
A簡易な引渡
  賃借人が物を買ったとき・・Bの意思表示だけで、占有が移転し、
               物は動かない
B占有改定
  物を売ったまま賃借するとき・・Aの意思表示だけで占有が移転し
                 物は動かない
     C指図による占有移転
       買主がかわったとき・・Bのために占有せよという命令と、Bの承
                  諾で占有は移転し、物は動かない
 
 
 
 
 
 
 
第8講 担保物権[1](留置権・先取特権・質権)
 































































































 
   過 去 問  
    H3-7-1 登記の要否
     -2 被担保債権の範囲
      -3 順位
      -4 不可分性

    H9-3-1 必要費の留置権
     -2 解除後の必要費と留置権
     -3 留置権と賃料
     -4 留置後の必要費

   H10-3-1 権利質の対象
     -2 権利質の対抗要件
     -3 取立
     -4 賃料と質権

   H12-3-1 賃貸建物の先取特権
     -2 転貸借と先取特権
     -3 物上代位性
     -4 敷金と先取特権

   H1-7-1 抵当権の目的物
     -2 効力―天然果実
     -3 効力―従物
     -4 一括競売

   H2-10-1 実行
     -2 てき除
      -3 範囲
      -4 順位変動

    H4-6-1 実行の通知
     -2 一括競売
     -3 売主の担保責任
     -4 第三者の弁済

  H11-7-1 追認の相手方
     -2 催告権
     -3 表見代理(権限ゆ越)
     -4 表見代理の成立(無権代理の責任)

   H5-9-1 使用・収益
     -2 短期賃貸借の保護
     -3 詐害的短期賃貸借
     -4 更新

   H6-5-1 使用・収益
     -2 実行の通知
     -3 代位(付記登記)
     -4 第三取得者と代位
    
    H7-6-1 抵当物の滅失
     -2 利息等について最後の2年分
      -3 物上代位の時期
      -4 附従性

   H10-5-1 法定地上権
     -2 短期賃貸借
     -3 転抵当
     -4 てき除 代価弁済

   H11-4-1 法定果実
     -2 短期賃貸借
     -3 短期賃貸借
     -4 短期賃貸借

   H1-5-1 譲渡
     -2 債権範囲の変更
     -3 一部譲渡
     -4 極度額の変更

   H8-7-1 担保される債権
     -2 利息等について最後の2年分
     -3 優先弁済権の範囲
     -4 元本の確定


   H12-5-1 根抵当の概念
     -2 極度額の変更
      -3 利息等について最後の2年分
      -4 根抵当権の譲渡

   H9-1-1 共同抵当の配当
     -2 共同抵当の配当
     -3 利息等について最後の2年分
     -4 順位変更
   H15-5  抵当権の物上代位権
   H15-6  抵当権と元本確定前の根抵当権
   H17-5-1 先取特権の物上代位
     -2 賃料の物上代位
     -3 火災保険の物上代位
     -4 留置権と物上代位
   H17-6-1 改正前の短期賃貸借
     -2 改正前の短期賃貸借
     -3 改正前の短期賃貸借
     -4 改正後の短期賃貸借は保護されない    
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 T,担保物権の共通する性質
  (0)意義
 金融を得るためには、弁済の確実性を確保する必要性がある。
 特に金銭債権の場合には、確実に債務者の財産から債権を回収しなければならない。この確実性を確保するための手段の1つとなるのが担保物権である。
 
  (1)担保物権の性
    留置権   弁済を受けるまでその物を留置する

 
  法定担保物権    
    先取特権  一定の債権者に優先権を認める
民法上の
担保物権
   
      質 権  目的物を占有して優先的に弁済を受ける
    約定担保物権    
    抵当権  不動産の占有を移さず優先的に弁済を
     受ける
 
 
   @共通の性質
     @,付従性・・・債権がなければ成立せず、債権が消滅すれば担保物権も消滅
             する
 
   債権者(抵当権者)
 
       @被担保債権消滅           A抵当権消滅
 
 
   債務者 (抵当権設定者)
 
 
 
    A,随伴性・・・債権が移転すれば担保物権も移転する
    
             被担保債権の譲渡
 
       債権者(抵当権者)          債権譲受人
 
            抵当権も移転
 
 
 
       債務者(抵当権設定者)
 
    B,不可分性・・・担保物権は債務の全部の弁済があるまでは目的物の全部
             に効力が及ぶ。
 
 
 
    C,物上代位性・・ 建物が火災で焼失した場合、担保物権の効力は保険金
        の上に及ぶ。すなわち目的物に代わる価値(保険金や
         売却代金)の上に効力が及ぶ。
      
 
       債権者(抵当権者)
 
 
                      物上代位
 
 
       債務者(抵当権設定者)     建物売却代金
 
 
   A不動産上の担保物権の順位は原則として登記の先後
    a,不動産保存の先取特権は、登記の先後によらず抵当権に優先する      (例外)
    b,先順位の担保物権が消滅すると、後順位の担保物権の順位は繰り上     がる
 
   B効力
@優先弁済的効力
 目的物の経済的価値、すなわち交換価値を債権者が把握しているという効力。
A留置的効力
 債権を担保するために、目的物を債権者の手元に留置させ、債務者に心理的圧迫を加えることによって債務の弁済を促すことをいう。
 
  付 従 性 随 伴 性 不可分性 物上代位性 優先弁済効力 留置的効力
留 置 権   ○   ○   ○   ×    ×注   ○
先取特権   ○   ○   ○   ○    ○   ×
質  権   ○   ○   ○   ○    ○   ○
抵 当 権   ○   ○   ○   ○    ○   ×
 
  注 但し事実上の優先的効力あり
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  U,留置権
   (1)留置権の意義
      ・ 他人の者の占有者が、その物に関して生じた債権の弁済を受けるまで
       その物を留置する権利(公平の原則)
 
      ・ 目的物を留置することによって担保としての機能を発揮するものであ
       り、目的物の交換価値を把握するものではない
                   ↓
              物上代位性は認められない
              優先弁済権は認められない
               (但し事実上優先弁済を受けるのと同じ効果となる)
 
   (2)成立要件
      @ 債権と物との牽連性があること。債権がその物に関して生じたもので
       なければならない。
      A 債権者がその物を占有していること。
      B 債権が弁済期であること。
      C 占有が不法行為によって始まったものでないこと。
   (3)留置権の効力
       債権全額の弁済を受けるまでは、何人に対しても目的物全額の留置を
      主張できる。
   
   (4)留置権の消滅
       物の滅失、混同等、物権に共通な消滅原因によって消滅するほか、留置
      権に特有な消滅原因として(債務者が請求)
      @ 占有の喪失
      A 義務違反に基づく債務者の消滅請求
        (債務者の承諾なくして留置物の使用若しくは賃貸借したり、担保に
         供した場合)
      B 代担保の提供に基づく消滅請求
 
  V,先取特権
   (1)意義
      法律上当然に債務者の財産から優先弁済を受けることが認められている。
     これが「先に取る権利、すなわち先取特権」である。
 
   (2)一般の先取特権
      共益費用の先取特権
      雇人給料の先取特権
      葬式費用の先取特権
      日用品供給の先取特権
 
  W,質権
   (1)意義
    a,質権は、債権者がその債権の担保として債務者又は第三者から受け取った
     物を、債務が弁済されるまで留置して債務者の弁済を間接に強制するととも
     に弁済されない場合にはその物から優先弁済を受ける担保物権
 
    b,担保物権の効力である「優先的弁済効力」のほか、「留置的効力」の双方が
     認められている。
  
    c,留置的効力を発揮させるために、質権設定契約は単に質権設定の合意のみ
     では足らず、目的物を引き渡さなければならない(要物契約)
    
    d,質権設定者の利益を考慮して、質権者は質権設定者の同意がなければ使用
     収益できない。(不動産質の特則あり)
 
    e,質権の目的となりうる物は譲渡することができる特定の物又は財産権であ
     る
 
 
  (2)種類
      ・動産質
      ・不動産質
      ・権利質
 
   (3)動産質
      ・目的物の占有移転をもって質権の効力発生要件
      ・占有の継続をもって第三者に対する対抗要件
 
   (4)不動産質
      ・目的物の占有移転をもって質権の効力発生要件
      ・登記をもって第三者に対する対抗要件
      ・不動産質権者には使用・収益をする権利を与えた
      ・存続期間10年を超えることはできない(更新可)
 
   (5)権利質
      ・譲渡性ある財産権
        債権、株主権
      ・効力発生要件→債権証書の交付
      ・第三者に対するためには、これらの通知・承諾が確定日付ある証書によ
       ることが必要とされている
 
  (6)転質
      ・質権者は転質権を有する。
        乙が甲に対する債権の担保として甲から質物を受け取っている場合
       には、この質物を乙自身の丙に対する債務のためにさらに担保として
       利用できる。
   →質権者にこのような権利を認めたのは、乙が甲に金融を与えて    質物に固定された資金を、甲の弁済以前に再び流動させること    ができるようにしようとする趣旨。
 
第9講 担保物権[2](抵当権・根抵当権)
 
 T抵当権
  (0)意義
 
@ 債務者が担保に差し入れたものを奪うことなく、引き続き設定者の手 元にとどめて使用収益させ、債務が弁済されない場合に、その物の交換 価値から優先弁済をうける権利が抵当権である。この担保物権は、不動 産のほか地上権・永小作権にも設定できる。
 
A 担保物を毀滅または減少させると、債務者は期限の利益を主張できな くなる。
 
B対象
  土地・建物という不動産のほかに、地上権と永小作権という権利が認 められる。動産には原則として抵当権を設定できない。
 
       


 
   抵当権の本質的特徴  
  @目的物の占有を設定者のもとにとどめる
  A目的物の交換価値を把握
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  (1)抵当権の設定
@ 抵当権は、債務者が自ら所有する土地に設定する場合もあれば、他人 のために自らの土地や建物を提供して設定する場合もあり、後者を物上 保証人と呼ぶ。
  抵当権を設定するのが抵当権設定者、これが債務者や物上保証人の側 である。債権者は抵当権の設定を受けるという。
        
           A
                          A:抵当権者
                抵当権       B又はC:抵当権設定者
 
 
           B       C
 
  (2)性質
@付従性
A随伴性
B不可分性
C物上代位性
 
  (3)被担保債権の範囲
      @ 抵当権によって担保される被担保債権の範囲は、元本、利息その他
       の定期金(地代・賃料)、損害賠償金であり、利息その他の定期金(地代       ・賃料)、損害賠償金は最後の2年分について優先弁済が認められる
 後順位抵当権者等の利害関係人がいないときは、利息その他定期  金の全部について、抵当権を行使できる。
A 被担保債権の種類には制限がない。ただし、金銭債権以外の場合 には、後順位抵当権者・不動産の譲受人を保護するため、これを登記するには被担保債権を金銭に算定する必要がある。
 
 
  (4)抵当権の及ぶ目的物の範囲、被担保債権の範囲



 
 抵当権者は債務の弁済が
  得られなければ抵当目的
  物を競売にかけることに
  なる



 
 つまり売り飛ばすわけだが
 どこまで売り飛ばしてよい
 か
 



 
 
     @ 土地と建物
       ・ 別々の不動産 → 抵当権の効力は建物に及ばない
       ・ 一括競売できる場合がある
 
    A 不動産に付加して一体となったもの
       ・ 後に増築された部分、附属建物、畳や建具にも効力は及ぶ
 
    B 抵当不動産の従物
       ・ 設定当時からあった物置、庭石に及ぶ
       ・ 設定後抵当権の効力は及ばない
 
    C 果実
       抵当権の効力は、原則として果実には及ばない
                 ↓


 
  抵当権は目的物の占有を設定者のもとに留めて、設定者が、使用・
収益をして被担保債権を返済できるようにしようとするものだから、
果実も又設定者に収取させようという考えから
 
      但し
       被担保債権について不履行があったときは、その後に生じた抵当不動産
      の果実に及ぶ。
      @,天然果実
      A,法定果実
 
    D 従いたる権利
       地主の承諾が必要(地主の承諾に代わる裁判所の許可)
  (5)法定地上権
    @意義
 建物には土地利用権が必要である。従って、土地利用権のない建物は、土地の所有者から建物収去・土地明渡しを請求される。そこで、土地所有者は建物所有者のために法定地上権を設定したものとみなす。
 
    A成立要件
a,抵当権設定当時、建物が存在していること。
b,抵当権設定当時、土地と建物の所有者が同一だった。
c,土地・建物のどちらか一方または双方に抵当権がつけられた。
d,競売の結果、土地と建物の所有者が別々になった。
 
  (6)一括競売
 更地に抵当権を設定した後、設定者がその抵当地上に建物を建てた場合、抵当権者は土地だけでなく建物も一括して競売できる。
 これは抵当地のみの売買の結果、建物を取り壊すはめになるのを防ぐための措置
 優先弁済権は土地の売却代金の部分だけ
       建物築造者の名義や建物の建築を抵当権者が承諾していたか否かを
      問わず、一括競売を認めることとしている。
 
  (7)優先弁済順位
 登記の前後。抵当権の設定契約には書面も登記も必要ないが、登記をしておかないと、後回しにされる。先順位の抵当権が消滅すると、後順位の抵当権者が繰り上がる。
 
 
  (8)抵当権者の同意による賃借権の存続
   @ 意義
      抵当権設定後に目的物の賃貸があったとき、賃貸借は抵当権の対抗
     要件に後れるため、抵当権が実行されると賃借人は抵当不動産を明け
     渡さなくてはいけない。
      しかし、これを貫くと賃借人の保護に欠けるので、以下の制度が設
     けられている。
 
   A 要件
     ・賃借権が登記されていること(借地借家法上の対抗要件では足りず、
      賃借権の登記がされていることが必要)
     ・
 
   B 効果
      賃借人は、賃借権を、同意した抵当権者及び競売による買受人に対抗
     することができる。
      その結果、買受人が賃貸人となって、賃貸借関係が存続する。
 
  (9)明渡猶予期間制度
   @ 意義
      抵当権者に対抗できない賃借権により抵当建物を占有す者に対しては
     建物の競売により所有権が買受人に移転したときから6ヶ月を経過する     するまで明渡が猶予される制度。
      これは、抵当権実行としての競売があったとき、急に明渡を迫られる
     ことによる不利益から賃借人を保護し、他方、明渡期間を一定にするこ     とにより抵当権者の予測可能性をたかめているのである。
   
 
 
 
 
   A 要件
     ・抵当権の設定登記後に賃借権の設定を受けた賃借人であること
     ・競売手続きの開始前から使用又は収益をする者か、又は強制管理又は      担保不動産収益執行の管理人が競売手続の開始後に設定した賃借権に      より使用又は収益する者であること
 
   B 効果
      賃借人は、買受人の買受のときより6ヶ月間を経過するまでは、明渡
      しを拒絶できる。
 
  (10)第三取得者の保護
   @ 代価弁済
 抵当不動産の所有権または地上権を買い受けた第三者は抵当権者の
請求により、その代価を弁済して抵当権を消滅させることができる。
 
   A 抵当権消滅請求
     @意義
       抵当不動産につき所有権を取得した第三者が、抵当権者に自ら抵当
      物件を評価した額を提供し、その承諾を得た金額を払渡し又は供託し
      て、抵当権を消滅させる制度をいう。
 
     A時期
       抵当権の実行としての差押さえの効力発生前であれば、抵当権消滅
      請求をすることができる。
 
     B手続き
       第三取得者は、消滅請求をするときは、登記をした各債権者に対し
       a 取得の原因及び年月日、譲渡人及び取得者の氏名及び住所並びに
         抵当不動産の性質、所在及び代価その他取得者の負担を記載した
         書面
       b 抵当不動産に関する登記事項証明書
       c 債権者が2ヶ月以内に抵当権を実行して競売の申立てをしないとき
         は、抵当不動産の第三取得者がaに規定する代価又は特に指定した
         金額を債権の順位に従って弁済し又は供託すべき旨を記載した書面
 
     C債権者のみなし承諾



 
 ・抵当権者が、書面の送付を受けた後2ヶ月以内に抵当権を実行して
 競売の申立てをしないとき
 ・抵当権者が競売の申立てを取り下げたとき
 ・申立てを却下する決定が確定したとき



 
   
     消滅請求の申出額の承諾が擬制される  
 
     D競売の申立て通知
       抵当権者が消滅請求を拒絶するためには、
               ↓
       書面の送付を受けた後2ヶ月以内に、抵当権を実行して競売を申立て
      債務者及び抵当不動産の譲渡人にその旨の通知をしなければならない。
 
     E効果
       登記をした全て債権者が第三取得者の提出した代価又は金額を承諾し
                   かつ
       第三取得者がその承諾を得た代価又は金額を払い渡し又は供託したと
       きは、抵当権が消滅する。
 
 
 
 
 
 
 
 
   (10)共同抵当
    <意義>
     同一の債権を担保するために、数個の不動産の上に設定された抵当権
 
    <例>
   
   
   
   
   
   
   
   
 300万の債権者甲
          第1順位       第2順位
  土地A       甲         乙(150万)
(時価300万)
  土地B       甲  共同抵当    丙(100万)
 (時価200万)
  土地C       甲         丁(50万)
 (時価100万)
 
     甲がAの抵当権を実行すると
 
     甲・・・債権は全部弁済される
         B,Cの抵当権は消滅
 
     丙、丁・・完全に弁済を受けられる。
 
      乙・・・全く弁済を受けられない
 

  
  
  
  
 

  甲がどの不動産を選択して抵当権を実行するかということにより
  第二順位の乙、丙、丁は弁済を受けられたり、受けられなかっり
  という不公平ばかりでなく、抵当不動産に余力があっても、2番
  抵当権を設定するものがなくなり、金融の途が閉ざされる

 
 
 
  

  
  

  
  
  
 
  民法は同時競売の場合  

  各不動産の価額に応じて債権の負担を分かつ
  甲は

   A・・・150万
   B・・・100万  残額はそれぞれ後順位に弁済される。
   C・・・50万

 








 
  
  
  
  
  
  

  
  
  
  
  
 
  個別競売の場合  
  甲がAから300万弁済を受けた
        ↓
  乙は同時競売の場合に弁済を受けるべき金額に満つるまで
  甲に代位してその抵当権を実行することができるとされて
  います。

   乙は
    B・・・100万      甲の抵当権を代位行使することが
    C・・・50万       できる。
                 但し、代位の登記をしなければ、
                 第三者に対抗できません。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 U 根抵当権
  1,意義





 

 


   変 動
  被担保債権

     一定の範囲に属する不特定の債権を
極   一定の極度額の限度において担保する
度   ために設定される抵当権のこと

 
 
 
  2,特徴
   @付従性の緩和
     被担保債権が消滅したからといって、根抵当権が消滅するわけではない。
 
   A随伴性の緩和
     根抵当権がそれに随伴して移転するということはない。
   
   B包括根抵当は認められない
 債権者・債務者間における一切の債権、たとえば、売買代金債権や債務不履行の損害賠償や不法行為の損害賠償債権など、あらゆる債権をすべて担保するという包括的な根抵当権は認められていない。
 
  3、設定
       目的物を特定し    
               
               

 
担保すべき債権の範囲
債務者
極度額
 
   @債務者
     普通抵当権における債務者…債権を特定することにより当然に決まる
     根抵当権の場合     …債権とは関係なく設定契約の要素として
                  定まる
   A確定期日
 あらかじめ根抵当権の担保すべき元本が確定することとなる日を確定期日として定める。
 ただし確定期日はこれを定めた日から5年以内の日でなければならない。
 
  4,変更
   @担保すべき債権の範囲の変更
確定前…根抵当権者と設定者の合意により担保すべき範囲を変更する     ことができる。
    変更登記をしないと変更はなかったものとみなされる
確定後…できません
 
   A債務者の変更
確定前…根抵当権者と設定者の合意により債務者を変更することが
    できる。変更登記をしないと変更はなかったものとみなさ
    れる。
確定後…できません
 
   B極度額の変更
確定前…根抵当権者と設定者の合意により極度額を変更することが     できる。後順位者等の利害関係人の承諾を得る必要がある
確定後…根抵当権者と設定者の合意により極度額を変更することが
    できる。後順位者等の利害関係人の承諾を得る必要がある
 
   C確定期日の変更
・変更前の期日の到来前に変更の合意をし、しかも確定期日の登記が ある場合、期日到来前にその登記をする必要があります。
・後順位者等の承諾を必要としない
・根抵当権設定者は、設定したときから3年を過ぎればこれにより担 保される元本の確定を請求することができる。
  5,譲渡
 確定前に限って、その被担保債権と切り離して根抵当だけを譲渡しこれを他に移転させることが認められます
 
   @全部譲渡
 根抵当権者は、設定者の承諾を得てその根抵当権の全部を他に譲渡することができる
 
   A分割譲渡
 根抵当権は、これを2個に分割してその1個を全部譲渡の方法により他に譲渡することができる
 ―例―
  極度額1000万円の1個の根抵当権を
極度額600万
極度額400万
   2個の根抵当権に分割してその一方を他に譲渡する
 
 分割譲渡があると、あたかも当初から根抵当権を異にする2個の根抵当権が同順位で設定登記されたのと同様の効果が生じます。
 
   B一部譲渡
 根抵当権者は、他の者に根抵当権の一部譲渡をしてその者と根抵当権を共有することができる
 
 
 
 
 
 
 
 
  6、抵当権の処分
    @転抵当
     ・ 抵当権をもって他の債権の担保とすること、
     ・ 甲がAに対してもっている抵当権を、甲の債権者乙のために担保する
      ことである。
     ・ 対抗要件
       抵当債務者、保証人、抵当権設定者、及びそれらの承継人にたいして
      は、通知・承諾である。
       → 転抵当設定の通知・承諾があると
         抵当債務者は転抵当権者の承諾を得ずに原抵当権者に弁済をした
        としても、転抵当権者にそれを対抗できなくなる。
 
    A抵当権の譲渡・放棄
     ・ すでに抵当権を有する債権者が自分が持っている抵当権の優先弁済の
      利益をその新しい債権者に譲渡すること。




 
   処 分   相手方     効 果
 抵当権の譲渡  無担保債権者   無担保債権者が優位
 抵当権の放棄  無担保債権者   無担保債権者と処分者が同順位
 抵当権の順位の譲渡  後順位抵当権者   後順位抵当権者が優位
 抵当権の順位の放棄  後順位抵当権者   後順位抵当権者と処分者が同順位
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  7、根抵当権の譲渡と普通抵当権の譲渡


 
  普通の抵当権について、転抵当と、抵当権そのものの譲渡と放棄、及び
抵当権の順位の譲渡と放棄の五つの処分方法を認めている。
 それに反し、根抵当では転抵当以外の処分は認められない。
   ―理由―
    これらの処分は、いずれも、譲渡した者の被担保債権が配当の時まで弁済され
   ないで残っていることを前提にして、その配当が処分の利益を受けた者に帰属す
   るという考え方である。
 
    例えば
      1番抵当権者甲、3番抵当権者丙で甲→丙に順位譲渡すると
                 ↓
      配当のとき甲に与えられるものと丙にあたえられるものの合計額から
                 ↓
             まず・・・丙が配当を受け
             残額・・・甲が配当される
                 ↓
      したがって、甲が競売される以前に弁済を受けると、丙が順位譲渡を受
     けたことが無意味になる。
                 ↓
      そこでこの不都合を防ぐために、債務者は丙の承諾を得ないで甲に弁済
     しても甲への配当額の消滅を丙に対抗し得ないとした。376条の規定であ
     る。要するに、甲から丙に順位譲渡するという制度は、甲の債権が弁済さ
     れずに存続しなければ効果を発揮しない。
  <結論>
      そうだとすると、甲の一番抵当権が根抵当権である場合には、その順位を
     丙に譲渡するということは無理だ。
                  ↓
      なぜかと言うと、根抵当権は被担保債権が絶えず弁済されでは新たに発生
     するという増減変動を続ける性質のものだからである。
10講 債権序説・人的担保
 
















































 
   過 去 問  
    H2-7-1 分割債務
     -2 保証人
      -3 連帯保証
      -4 連帯債務

    H5-4-1 連帯保証の分別の利益
     -2 連帯保証の分別の利益
     -3 連帯保証の検索の抗弁権
     -4 共同保証の求償権

   H6-9-1 保証人の変更
     -2 保証の附従性
     -3 主債務の変更
     -4 保証人の相殺権

   H7-3-1 連帯保証の時効の中断
     -2 連帯保証の時効の中断
     -3 連帯保証の時効の中断
     -4 被保佐人の時効の中断

   H10-4-1 連帯保証の催告の抗弁権
     -2 連帯保証の催告の抗弁権
     -3 連帯保証の時効の中断
     -4 法定代位

   H1-10-1 連帯債務の絶対効
     -2 連帯債務の相対効
      -3 連帯債務の相対効
      -4 連帯債務の絶対効

    H3-6-1 連帯債務の絶対効
     -2 連帯債務の相対効
     -3 連帯債務の絶対効
     -4 連帯債務の相対効

   H8-7-1 連帯債務の絶対効
     -2 連帯債務の絶対効
     -3 連帯債務の絶対効
     -4 連帯債務の相対効

   H13-4-1 連帯債務の絶対効
     -2 連帯債務の負担部分
     -3 連帯債務の求償権
     -4 連帯債務の負担部分と相殺

   H15-7   保証債務

   H16-6   連帯債務  
 
    
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 0,全体像
  債権の発生     契  約     契約総論   契約の成立








 



   

   

   
 
    
 
     
   
     
   
     
  契約存続中の関係     同時履行の抗弁
危険負担
第三者のために
  契約の終了
解除       

 
 
  事務管理  
 
契約終了後の関係  する契約
担保責任
 
  不当利得  
          契約各論       贈与
売買
交換
消費貸借
使用貸借
賃貸借
雇用
請負
委任
委託
寄託
組合
終身定期金
和解
非典型契約
  不法行為  
          
  債権の効力   債務不履行   受領遅滞    


 
        
        
 
 
         債権譲渡       
  債権債務の移転    






 
         債務引受       
        
        
        
        
        
        
 
 
 
 

 
  債権の消滅   債権の履行確保     債権の保全  
                     弁済
代物弁済
         人的担保  
    債権の担保    
  相殺          物的担保  
  更改
免除
混同

 
 
  1、債権の意義
    債権とは、特定の他人に対して一定の行為をすることを請求する権利である。
 
 2、債権と物権の違い
    物      権   債      権
   性 質     対 世 的     対 人 的
   排他性     あ   り     な   し
   妨害排除請求権     あ   り     な   し
 
  3、特質
    @ 債権法は原則として任意法規である。
 
 
  T,債権者・債務者が数人である場合
   1,分割債権・分割債務(原則)
 当時者が数人である場合、別段の意思表示がないときは、平等の割合を
持って権利を有し、義務を負担する。
 1個の同一の給付を目的として債権債務が多数の者に分割的に帰属する
関係を分割債権債務関係と呼ぶ。
 
   ―例―
分割債権               分割債務
 
 900万円で売却            900万円で購入
      甲                          B
 
      乙       丁            A      C
 
      丙    甲、乙、丙                  D
          300万づつ          B,C,Dに対して300万づつ
  2,非分割債権・非分割債務(特約があるとき等)
@保証債務…主債務の履行がないとき、保証人が履行すべき責任
A連帯債務…数人が連帯して債務を負担する
 
 U,保証
  0,概要
   1)位置付け
 保証とは、他人がその債務の履行をしない場合に、その債務を他人に代わって履行するという合意をすることができる。
 本来の債務者以外の債務者を設定し、その保証債務者のすべての財産に対しても強制執行していくことができるとすれば、担保される被担保債権の履行が確実になる。
 物的担保が優先弁済的効力に本質があるが、保証債務の場合には、そのような優先的効力がない代わりに、保証人のすべての財産がその引き当てとなる。
 
   2)意義
 保証人によって保証される他人の債務のことを主たる債務、主債務と呼ぶ。
 保証債務には別個独立性・同一内容性・付従性・随伴性・補充性という
 5つの性質がある。
 
    @別個独立性
      債権者と保証人との間の契約によって成立
 
主債務
L            J
A(債権者)       B(債務者)
 
 
             保証債務
K
C(保証人)
 
 
    A同一内容性
 保証債務は主債務に代わって履行するものであるから、その内容は主債務と同一となる。
 
    B附従性
     ・ 主たる債務が存在しなければ保証債務は成立せず、また、主たる債務
      が弁済などによって消滅すれば、保証債務も消滅することをいう。
     ・ さらに、保証債務はその内容や対応において、主債務より軽くなるこ
      とは差し支えないが、重くなってはいけないと解されている。
     ・ 仮に重くなるような場合には、主たる債務の限度に減縮される。
     ・ ただ、主債務と保証債務は別個の債務であるから、保証人がその保証
      債務について特に違約金や損害賠償金の予定をすること自体は問題ない
                    ↓
       これは、主債務よりも保証債務を重くするのではなく、主債務と同一
      内容の保証債務について、特にその履行を強化するために損害賠償額の
      予約や違約金の定めをしたにすぎない。
     ・ 保証人は、主たる債務者の有する反対債務による相殺をもって、債権
      者に対抗することができる。
     ・ 主債務については時効の中断事由(履行請求、債務承認等)が生じた
      ときは、保証債務についても時効が中断する。
 
    C随伴性
     ・ 主たる債務者に対する債権が移転されると、保証人に対する債権も共
      に移転する。あくまでも保証債務は主たる債務を担保するためのもので
      あるから、それとともに移転し、運命を共にするというわけである。
 
 
 
 
 
 
    D補充性
     ・ 保証人は、主たる債務者がその債務を履行しない場合に始めてその
      債務を履行するという第二次的な責任を負う。
       催告の抗弁
        「まず主たる債務者に請求せよ」と主張できる
 
       検索の抗弁
        「まず主たる債務者の財産に執行せよ」と主張できる
         但し、債務者に弁済の資力があることと、その執行が容易である
        ことを立証しなけらばならない
 
 2,保証人となる資格
・ 原則として、保証人となる資格に制限はないが、債務者が保証人を 立てる義務を負う場合には、行為能力を有し、かつ弁済の資力を有す ることが必要。
・ 債務者が法律または契約によって保証人を立てる義務を負う場合
 保証人は能力者であって弁済の能力を有する者でなければなりません
 保証人が弁済の資力を失ったときは、債権者は弁済の資力ある他の保 証人を立てることを請求できます
 →もっとも債権者が保証人を指名したときは以上のことは問題になら
  ない
 
 3、共同保証 
    ・求償権は、他の共同保証人に対しても行使することができる。
    ・共同保証には分割債務の規定が適用される(分別の利益)
       債権者(1000万貸付)      債務者
 
             保証人A(500万についてのみ保証債務を負担)
             保証人B(500万についてのみ保証債務を負担)
 
 4,連帯保証
   @意義
    連帯保証とは、保証人が主たる債務者と連帯して債務を負担するものをいう
 
   A保証債務との相違点
    ・催告の抗弁権、検索の抗弁権がない。
    ・共同保証の場合に、分別の利益がない。
    ・連帯保証人に生じた事由が、主たる債務者に対しても効力を及ばす場合が
     ある。
 
   B連帯保証人に生じた事由の効力
・連帯保証人に対する請求は主たる債務者についても効力を及ぼす。
・連帯保証人と債権者間の更改又は連帯保証人の相殺は主たる債務   者についても効力を及ぼす
・連帯保証人と債権者との間に混同が生じたときは、弁済をしたものと みなされる。
   従って、連帯保証人は求償権を取得し、それに基づいて債権者の  権利を代位行使する。
  ◆ただし、連帯保証人は負担部分がないから、連帯債務者の負担部   分の存在を前提とする規定は準用されない。
・連帯保証人の有する反対債権をもって債務者が相殺することはあ りえない。
・連帯保証人を免除しても債務者に影響を与えない。
・連帯保証人についてのみ時効の完成することはありうるとしても
 債務者に影響すべき余地はない
 5,その他
(1) 消滅時効についてみると連帯保証人や保証人は直接の当事者として   主たる債務の消滅時効を援用できる。
 
(2)主たる債務が時効によって消滅したときは
   →・保証人はその時効を援用して保証債務の履行を拒むことができ      ます
    ・主たる債務者が時効を援用すればもちろんのこと、時効の利益      を放棄した場合も同じです
 
(3)保証人は主たる債務者の有する同時履行の抗弁権を行使することが   でき、さらに、主たる債務者が債権者に対して反対債権をもって相殺   することができます。
 
(4)主たる債務者の有する取消権、解除権を行使することができるかど   うかはこれを否定するのが判例の傾向です。
 
 
 V,連帯債務者関係
  1,意義
 数人の債務者が同一内容の債務を負担する
 債権者は、全部の弁済を受けるまでは、債務者の全員に対して全額請求できる。そして誰かが全部弁済をすれば、他の者は債務を免れる。
 
  2,効力
   1)連帯債務者に対する債権者の権利
 債権者は連帯債務者の中の任意の一人もしくは数人に対してまたは全体に対して、給付の全部または一部を請求することができるし、その請求は同時に行ってもいいし、また順番に行ってもよいということになっている。
 
   2)絶対的効力
 一人について生じた事由が他の連帯債務者に影響を及ぼすことを「絶対的効力」という。
     @弁済
 
     A相殺
      連帯債務者の1人が債権者に対して有する反対債権をもって相殺するとき     は、他の債務者も債務を免れる。
 
             A     ―例えば―
            債務者    AとBがそれぞれ100万円の連帯債務を
       C          債権者Cに対して負担していたとする。
       債権者          このときAがCに対してもっている100
             B    万円の反対債権で相殺すると
            債務者          ↓
                   Aの債務が消滅すると同時にBの連帯
                  債務も消滅する
 
     B履行の請求
       連帯債務者の1人が履行の請求を受けると請求を受けなかった他の
      連帯債務者についても請求をうけたのと同一の効力が生じる。
 
     C更改
       連帯債務者の1人が債権者との間で更改をしたときは、反対の特約が
      ない限り他の債務者も債務を免れる。
       更改とは、旧債務を消滅させ、新債務を成立させる一つの契約である
      が、この更改によって旧債務の消滅という部分について絶対効が生じる
 
     D免除
       連帯債務者の1人に対してなした債務の免除は、その債務者の負担部
      分についてだけ他の債務者の利益のためにも効力を生じるとされる。
 
     E混同
       連帯債務者の1人と債権者との間に相続や債権譲渡などによって混同
      が生じた場合には、その債務は弁済したものとみなされる。
 
     F時効の完成
       連帯債務者の1人のために消滅時効が完成したときは、その債務者の
      負担部分について他の債務者も債務を免れることになる。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
11講 債権の消滅・譲渡
 






























































 
   過 去 問  
    H5-5-1 債権譲渡の方法
     -2 債権譲渡の対抗要件
      -3 債権譲渡の対抗要件
      -4 供託

    H9-5-1 債権譲渡の方法
     -2 債権譲渡の通知と承諾
     -3 譲受人の通知の代位
     -4 同時請求の債務者の立場

   H12-6-1 譲渡通知について
     -2 譲渡通知について
     -3 債権譲渡の対抗要件
     -4 債務者の承諾について

   H7-8-1 相殺と時効
     -2 相殺の時期
     -3 不法行為と相殺
     -4 差押後の相殺について

   H2-4-1 債権譲渡の対抗要件
     -2 貸金債権と消滅時効
     -3 返済場所
     -4 催告について

   H3-9-1 利息債権
     -2 返済の催告
      -3 返済場所
      -4 受取証書と同時履行

    H3-6-1 第三者弁済
     -2 法定代位
     -3 受取証書と同時履行
     -4 受取証書の発行

  H11-5-1 第三者弁済
     -2 債権の充当順位
     -3 準占有者
     -4 法定代位

   H7-5-1 債権者代位権― 一身専属的
     -2 債権者代位権― 履行期
     -3 登記請求権と代位
     -4 所有権妨害排除請求権の代位

   H12-9-1 代物弁済の第三者対抗要件
     -2 代物弁済と精算金
     -3 債権譲渡と弁済期
     -4 代物弁済と瑕疵

  H16-8   相殺

  H16-9   契約の解除

   H17-7-1 利害関係人の弁済
     -2 債権の準占有者
     -3 適法な弁済
     -4 弁済供託の要件
   H17-5-1 先取特権の物上代位
     -2 賃料の物上代位
     -3 火災保険の物上代位
     -4
 
 
 T,指名債権譲渡の債務者への対抗要件及び第三者への対抗要件
  (1)債権譲渡とは
 債権も1つの財産権であるから、その同一性を保ちつつ売買などの対象となって移転することがある。これを債権譲渡という。債権回収の為に債権譲渡が行われる。
 ゆえに、譲渡される債権を担保するための保証や担保権も、当然に新しい債権者に移転する。
 
  (2)債権者の対抗要件
                                                 通知
   債権者A      債務者B     債権の譲受人(新債権者)が債務者
         承諾          に履行の請求をするために必要な要件
 
                       要件
                      A→Bへの通知
    譲受人C              B→Aへの承諾  いずれか
                      B→Cへの承諾
     
                      譲受人Cが、譲渡人Aに代位して
                     通知することはできない
 
 
 
 
 
 
  (3)第三者への対抗要件
           
    債権者A      債務者B     C・D間の対抗要件
                      (2)の通知・承諾について
         債権の二重譲渡       @確定日付を備えた方が優先
                       A@が先に到達した方が優先
  譲受人C  譲受人D
 
                       第三者…a,債権の二重譲渡人
                           b,債権を差押えた
                            Aの債権者
                           c,Aが破産した時の
                            破産債権者
                         ※保証人はこれに該当しない 
 
    @債務者以外の第三者に対する対抗要件
     ・通知または承諾は確定日付のある証書によらなければ対抗力を
    
 
  生じません。
     ・指名債権が二重譲渡された場合
 譲受人間の優劣は、確定日付ある通知が債務者に到着した日時または
確定日付ある債務者の承諾の先後によって決まる。
    A譲渡通知の相手方如何
・債務者
・連帯債務者の一人に通知しても他に効力を及ぼさない。
・主たる債務者に対する通知は保証人に効力を及ぼす。
・保証人に対する通知は、主たる債務者だけでなく、保証人に対して
 効力を及ぼさない。
 
    B譲渡禁止特約の存在を知らないことにつき、重過失ある譲受人に特約       をもって対抗しうるか
        対抗しうる
理由 
 466条2は第三者の主観的保護要件とし、善意のみを要件とするが、
判例は無重過失を要件として加える。
 本来表見的なものに対する保護の場合には、無過失が要求されるのが筋であるが、債権の譲渡禁止特約については、第三者の保護要件を緩和し、無重過失が要件となるに過ぎないと解する
けだし(推量するに、想像するに)
 債権は独立の財貨として自由譲渡性を有するが、法の建前であるにもかかわらず、あえてこれに従わないで譲渡禁止の特約を付し、しかもそれにつき公示を欠く以上、そのような特約を付した当事者よりも、
債権の自由譲渡性の建前を信頼して行動した第三者の方が、保護されてしかるべきだから
 
   C債務者が債権譲渡につき異議を留めない承諾をすると
 
  債務者は、債権譲渡人に対抗できた一切の事由を、債権譲受人に対抗できない
                   ↓
 
   従って、債務者は、債権譲受人に対抗できず、弁済をしなければならない
                   ↓


 
   そして、異議を留めない承諾をしたために、債務者が受ける不利益は、債権
  譲渡人との間で決済することになり、債務者は、債権譲渡人に対して支払った
  金員の返済を請求できる。(486条項但書)
 
 
 
  (4)譲渡の原則
    ―原則―
     自由に譲渡することができる
    ―例外―
     @債権の性質による制限
 これは債権者の変更により、給付の内容が変わってしまうような、
たとえば、特定の人を教育させる権利のようなものはそもそも譲渡の対象とならない。
 
     A法律による制限
       扶養請求権
 
     B特約による制限
 譲渡禁止特約も有効。ただし、譲受人が善意であるときは、
譲渡は有効。債権の譲受人は、善意であっても重過失のあるときは、債権を取得することができない。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 U,弁済
  1,弁済の意味と性質

 
 弁済とは…債務者がその内容である給付を実現して債権者の利益を
      充足させる行為。
 代金の支払いや目的物の引渡しなどはみな弁済である。弁済によって
 債権債務は消滅する。
 
  2,弁済の提供
    ―要件―
     ・債務の本旨に従った
     ・現実の提供または口頭の提供
 
  3,弁済提供の効果
@履行遅滞責任からの解放
A相手方の同時履行の抗弁を奪う
B約定利息の不発生
C危険の負担
D注意義務の軽減等
 
  4,債務の本旨に従った弁済の提供
   @給付の内容
・ 給付の内容においては、特定物に関して現状のまま引き渡せば足り るとされる
・ また、他人の物や譲渡能力のないものの引渡しをしてしまった場合 には有効な弁済とはいえないが、新たに別の物をきちんと給付しない 限りはその間違って渡してしまったものを取り戻すことはできない。
    ・  さらに、債権者が弁済として受けたものを善意で費消してしまったり
     譲渡してしまったときはその弁済は有効になる。
 
   A給付の時期
    ・履行期が定まっている場合
      →その履行期までに給付することになる
    ・履行期が定まっていない場合
      →債権者からの請求があったときに弁済すればよい
 
   B給付の場所
    ―原則―
      <取立債務>
 ・給付の場所は、特定物の引き渡しについて、債権発生当時にその物
  が存在していた場所ということになっている。
  
  
 契約のときにその物が存在していた場所ということである
   =売主の住所で引き渡す

 

  よって債権者すなわち買主は売主のもとまで取り立てに行くという
 ことになるわけである。
 
 
      <持参債務>



 
・特定物以外の引き渡しの場合には、債権者の現時の住所となっている
 債権者、通常の売買ならば買主が今いる場所でということであるから
 債務者はその買主のもとまで持参していかなければならない。つまり
 不特定物売買のような場合には、通常持参債務。



 
 
 
 
 
 
   C給付の費用
・ 弁済の費用については、特約がない限り債務者が負担することにな っている。
  ただし、債権者が勝手に引越しをしたなどして、債権者の住所まで 持っていく費用が余分にかかってしまった場合には、その増加部分は 債権者の負担となっている。
 
  (3)相殺の要件
     
 
  150万円の債権  
 
      AL      B Aが相殺を援用 è L?―50万円の債権→ K


     

100万円の債権
     
 
    @相殺をするための要件(相殺適状)
a,相殺する当事者間に債権の対立があること
b,双方の債権が同種の目的を持つこと
c,双方の債権が共に弁済期にあること
   ただし、受動債権(Bの債権)は必ずしも弁済期にあることは  要しない
d,債権の性質上、相殺を許さないものではない
      差押禁止債権を受働債権とする相殺の禁止510条)
  ・差押が禁止された受働債権として相殺することはできないと定めて   いるが、もともと差押を禁止したのは現実に履行される必要がある   債権だからであり、そのような債権について相殺を認めると差押を   禁止した趣旨が貫かれなくなるからである。
  ・差押を禁止された債権を、自働債権として相殺することは許される。
     ・不法行為による損害賠償請求権
自働債権  相殺可
受働債権  相殺不可
 
 
 
 
 
 
 
    A相殺の方法
a,相殺は当事者の一方より相手方に対する意思表示によってなす。
b,この意思表示には、条件、あるいは期限をつけることができない
c,相殺は履行地が異なる場合でも援用することができる。ただし、  これにより相手方に損害を与えたときは、それを賠償しなければ ならない。
d,時効が完成した債権でも、時効完成前に相殺適状にあった場合は、
 債権者は相殺を援用することができる。
 
 
     <時効で消滅した債権をもって相殺することを認めた理由>
  ・当事者双方の債権が相殺適状にあるときは、当事者は債権関係は決   済されたものと考え、時効による債権の消滅を意識することなしに   日時を経過するのが一般的であるから、当事者の意思ないし信頼を   保護するために、この規定が置かれた。
 
    B相殺の遡及効
      相殺の意思表示は、相殺適状が生じたときに遡って効力を生じる
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 V,第三者の弁済と代位・相殺要件
  (1)第三者の弁済など
    @債務の弁済は、原則として第三者が行うこともできる。
(ア)利害関係を有する第三者(物上保証人や第三取得者など)は、債務   者の意思に反する場合でも弁済できる。
(イ)特別の利害関係のない第三者は(肉親や友人であっても)債務者の
   意思に反して弁済することはできない。
 
A 原則として弁済は、それを受領する権限を有する者に対してしなけれ ばならない。
  ただし、受取証書の持参人は、受領の権限あるものとみなされる。
 
B 弁済者は、受領者に対して受取証書の交付を請求することができる。 そして債権者が受取証書の交付をしない限り、債務者は弁済を拒絶する ことができる。このとき、履行遅滞の責めは負わない。
  債権証書がある場合においても、全部を弁済した弁済者は、証書の返 還を請求することができる。
 
C 債務の元利合計額に対して、弁済した金額がこれに満たなかった場合、
 弁済金はまず費用に、ついで利息、元本の順に充当される。
   
    D供託による免責
 債権者が弁済の受領を拒んだり、受領できない場合、弁済者は、供託によって債務を免れることができる。
 供託は、債務の履行地の供託所にする必要がある。
 
 
 
 
 
 
 (2)代位
    @任意代位
 債務者のために弁済した第三者は、その弁済と同時に債権者の承諾を得て債権者に代位することができる。
 この場合、債権者から債務者への通知か債務者の承諾を要する。
 
    A法定代位
 物上保証人や保証人のように弁済をするにつき正当な利益を有する者は当然に代位する(@の通知や承諾は不要)
 
    B代位者相互の関係
a,保証人が抵当不動産の第三取得者に対して代位するためには、あ らかじめ(第三取得者が取得する前に)抵当権の登記に代位の付記 登記をしなければならない。
b,第三取得者は、保証人に対して代位することができない。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
W、債権者代位権
 1,意義
    債権者代位権は、債務者がその一般財産の減少を放置する場合に、債権者が
   債務者に代わってその減少を防止する措置を講ずることを認める制度です。
 2、要件
    @ 債権者の債権を保全するため必要であること=無資力
    A 債務者自らその権利を行使しないこと
    B 債権は原則として弁済期に達していること
       <例外>
        裁判所による代位
        保存行為としての代位
 
 3、代位行使されうる権利
    ・ 財産権でありかつ強制執行可能な権利であることが必要である。
    ・ 債権者代位権の対象とならないものとして
               ↓
      行使上の一身専属権・・・親権や離婚請求権
                  夫婦間の契約取消権
                  人格権侵害による慰謝料請求権
 4、債権者代位権の行使方法
    ・ 裁判上でも裁判外でも行使しうる。裁判外でも行使しうるという点が
     債権者取消権と異なる。
    ・ 債権者があくまでも自己の名において債務者の権利を行使するのであ
     って、債務者の代理人として行使するのではない。
         B(Cの債権者、Aの債務者)        債権者A
                        貸金債権
                売掛金債権        代位権
 
         C(Bの債務者、第三債務者 )
     ・債権者は直接自己へ引き渡すように請求できるか
       できる(判例)
 5、債権者代位権の行使の範囲
    被保全債権に必要な範囲
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
X、債権者取消権
 1、意義
    債権者取消権とは、債務者がその債権者を害することを知って法律行為を
   なした場合、債権者がその取消を裁判所に請求できる権利のことをいう。
 
 2、要件
    債権者取消権が認められるためには、債務者が債権者を害する法律行為、す
   なわち
     @ 詐害行為をしたという客観的要件

 
   取消の目的となりうる行為の範囲としては、債務者のした法律行為
  てあって財産権を目的とするものに限られる。
                   ↓


 
  あくまで責任財産の保全を目的としているからであり、身分行為など
 の取消を認めると、債務者の人格的な自由を不当に侵害することになっ
 て妥当ではないからといわれている。
                   ↓


 
  財産状態に重大な影響を及ぼす、
   相続の承認放棄や離婚による財産分与なども身分関係上の問題で
  あるということから、債権者取消権は許されないと解されている。
 
     <例>






 
 債務者である相続人が被相続人
 から巨額の財産を相続すること
 によって、その責任財産が充実
 するはずであったにもかかわら
 ず、債務者が相続を放棄したこ
 とによって債務者の責任財産が
 増加しなかったような場合
 



 
債権者はその相続の放棄は
もったいないではないかと
言って取消したりすること
はできない



 

 
 
 
 

 
  被保全債権が存在する時期であるが、これは詐害行為の前に成立して
 いることが必要である。


 
  債権者取消権は、特定の金銭債権を保全することを目的としているた
 め、詐害行為後に発生した債権では、その詐害行為が当該金銭債権を害
 したとはいえないからである。
 
     A 債務者、受益者、あるいは転得者が詐害事実を知っていることという
      主観的要件
            貸金債権          詐害意思
     債務者 B      債権者 A    当該行為が債権者を害すること
       不動産の贈与            つまり総債権者に対する弁済の資
                        力に不足をきたしてしまうことを
     受益者 C     贈与契約の取消   知っていながら譲受けたりするこ
       不動産の転売                とをいう。 
 
     転得者 D
      C    D    Cに対して    Dに対して
      善意   善意    請求できない   請求できない
      善意   悪意    請求できない   目的物返還請求
      悪意   善意    価格賠償請求   請求できない
      悪意   悪意    価格賠償請求   目的物返還請求
 3、債権者取消権の行使方法
   ・ 債権者取消権は、裁判所に請求してこれをなすことになる。裁判上の行使
    しか認められない。
   ・ この訴えは受益者または転得者に対し行うことになる。
   ・ 債権者取消権は、取消原因を知ったときから2年で消滅時効にかかり、
     また、詐害行為のときから20年を経過すると除斥期間で消滅することに
     なる。
 
第12講 契  約
 






















































 
   過 去 問  
    H1-9-1 危険負担 債権者主義
     -2 危険負担 債権者主義
      -3 危険負担 債務不履行
      -4 債務不履行 履行遅滞

   H8-11-1 危険負担
     -2 危険負担
     -3 危険負担
     -4 危険負担

   H2-2-1 債務不履行 金銭債権
     -2 債務不履行 損害賠償
     -3 債務不履行 損害賠償の予定
     -4 債務不履行 損害賠償

   H11-8-1 同時履行の抗弁権
     -2 同時履行の抗弁権 原状回復義務
     -3 同時履行の抗弁権
     -4 同時履行の抗弁権

   H2-8-1 契約の解除 売買契約
     -2 契約の解除 売買契約
     -3 契約の解除 無償委任
     -4 契約の解除 請負契約

   H5-7-1 契約の解除 
     -2 契約の解除 
      -3 契約の解除
      -4 契約の解除

    H8-9-1 契約の解除
     -2 契約の解除
     -3 契約の解除
     -4 契約の解除

  H10-8-1 契約の解除
     -2 契約の解除
     -3 契約の解除
     -4 契約の解除

   H4-7-1 解約手付
     -2 解約手付
     -3 解約手付
     -4 解約手付

   H6-6-1 解除権の留保
     -2 手付放棄
     -3 債務不履行による解除
     -4 損害賠償の予定
   H17-6-1 売主の担保責任と解除
     -2 債務不履行解除と損害賠償
     -3 売主の担保責任と解除
     -4 解約手付

 
 
 
 
 
 
 1,契約とは
   @意義
 契約は、当事者間に売ろう、貸そう、借りようという対立する意思表示が合致すること、すなわち合意があることによって成立する法律行為である。
 
 2,分類
   @双務契約・片務契約
a,双務契約… 契約の当事者間に相互的な債権・債務の関係が生じ対        価関係がある契約
―例―
売買契約においては
   売主è相手方に商品を引き渡す義務を負い
   買主è相手方に代金を支払う義務を負う
同時履行の抗弁権
危険負担      もっぱら双方契約について生じる
解除
 
b,片務契約… 一方だけが給付義務を負い相手方がこれに対する義務        を負わない契約
             贈与等
 
   A諾成契約・要物契約
a,諾成契約…当事者の合意のみ(口約束)で成立する
       ―例―
        売買契約・賃貸借契約
b,要物契約…当事者の合意のほかに物の引渡しや給付をしなければならな       い
       ―例―
        質権設定契約・消費貸借契約・寄託契約
 
 B有償契約・無償契約
a,有償契約…売買や賃貸借のように一方から他方へ経済的な対価(代       金・賃料)が支払われる契約
b,無償契約…贈与契約などのように経済的出費をするのは一方だけで
       他方はこれに対する出費がない契約
 3,契約の成立
            (申込)    (承諾)
           −意思表示→  ←意思表示−
         A       B
             債権債務関係の発生
   @申込
    (1)申込は到達主義である
    (2)申込は相手方に到達すると申込者は勝手に撤回できなくなる
    (3)承諾期間の定めのある申込
        承諾期間内は撤退できない
    (4)承諾期間を定めない申込
        撤回しうる
        ただし「相当の期間」は撤回できない
   A承諾
    (1)承諾は発信主義
    (2)承諾期間の定めのある申込は、その期間内に限り承諾することができる
    (3)承諾期間に遅れた場合
a,普通なら期間内に到達するように承諾者が発信した場合
  申込者がそのことを知りうる状態であれば、申込者が「延着  通知」を発しないと契約は成立する
b,aの場合以外は契約は成立しないが、申込者の方で「遅れた  承諾」を新たな申込とみなすことができる
  したがって申込者がこれに承諾すれば契約は成立する
    (4)変更を加えたり、条件を付したりした場合
 申込の内容と一致しないから申込の拒絶になるが、申込者の方でこれを新たな申込とみなすことができる
 4,同時履行の抗弁権
    @同時履行の抗弁とは?
 買主は売主が目的物の引渡しという自分の債務を履行するまで代金支払いを拒める。これを、同時履行の抗弁権。
 
    A同時履行の抗弁権を主張するための要件
(1)同一の双務契約から生ずる二つの債務が存在する
(2)二つの債務がともに弁済期にある
(3)相手方が自分の債務を履行せず、債務の履行を請求してきた
   ただし、特約で自分の債務を先に履行する特約があるときは、   同時履行の抗弁権はない
    B債務の履行を拒絶できるその他の場合
(1)受取証書の交付と弁済
(2)賃貸借契約終了時における立退料の支払いと土地または建物の明渡   し
(3)敷金の返還と賃貸不動産の明渡義務とは同時履行の関係に立た   ないことに注意。敷金返還請求権は不動産の明渡し後にはじめ   て発生する。
 
 
 5,目的物の滅失・不存在
 
    @原始的不能
 すでに焼失している家屋を売る契約は、はじめから履行不能。
従って、代金とか債務不履行による損害賠償の問題は生じない
 
        契約成立       滅失         危険負担
 
        滅失        契約成立        原始的不能 
 
 
    A危険負担
     (1)要件
・売買契約成立後
・引渡し前までに
・債務者(売主)の責に帰せざる理由で
・目的物が滅失、または毀損したとき
                ↓
債権者(買主)は契約をしたけれど受け取っていない
目的物に代金を支払わなければならないのか?
つまり誰が危険負担を負うのか?
    目的物が  
   
     
    特定物      不特定物  

 

 

 

 
買主が支払わな
ければならない

 
 買主は支払わな
 くてもよい

 
 
特定物 …不動産のように個性あるものとして世の中にただ一     つだけ特定できるもの
不特定物…量産されているもので品名を指示すれば入手できるも     の
 
 
 
 
 
 
 
     (2)停止条件付双務契約
           (例 今年中に転任になれば家屋を売るという契約)
         滅失のとき
           債権者主義が適用されない
           民法の原則にかえって債務者主義が適用される
           (転任になっても代金はとれない)
         毀損のとき
           債権者主義をとる
           (転任になれば、毀損した家屋を引渡して代金全額がとれる) 
 6,第三者のためにする契約
 通常は、買主は売主に対し代金          A売主(要約者)
   を支払うが、売主が誰かに借金し
   ていた買主に直接払ってもらった
   方が手間が省ける。
    そこで、第三者のためにする契約も認められる。
  @第三者の権利発生要件

     売却


    B買主(諾成者)
・当該第三者が受益の意思表示をした      借 金
    (AとBとの間で契約は成立している)
    ・そしてC(受益者)が意思表示を 
     すればAとBは契約内容を変える
     ことができない

     代金支払

 
                            C第三者(受益者)
 
7,契約成立後の問題
     
     
     
               債務の消滅
 債権譲渡
 債務不履行
    契約成立  
 
           
 
 






 

   相手方
 正当な理由なく債務
 の本旨にしたがった
 給付をしない

 


 






 


 

 解



 除
 






 



 



 
     
   
  損害賠償  
 
 8,債務不履行
   @趣旨
 債務者が責任を負うべき事由によって「債務の本旨」に従った履行のなされないことをいう
 不可抗力で債務が履行できない場合は、原則として債務不履行にならない(金銭債務の場合の例外)
 債務者の責任によらない事由で履行不能となったときは、債務不履行ではなく危険負担の問題となる。
(1)履行遅滞è履行期に履行不可能ではないのに、債務者の責めに         帰すべき事由で履行されないこと
(2)履行不能è債務が債権成立後に債務者の責めに帰すべき事由で         履行不可能になること
(3)不完全履行è債務の履行は一応なされたが、それが債務の本旨          に従って満足すべきものではない場合
 
   A債務不履行の効果
・ 債務不履行があった場合は、その債務が履行不能になっていない 限り裁判所に訴えて強制履行を求める
・ 双務契約から生じた債務が履行されない場合には、債権者は損害 賠償の他に、契約を解除することもできる
   B履行遅滞の要件
(1)履行期において債務が履行不可能ではないにもかかわらず債務を
   履行しないこと
(2)履行しないことが違法であること
(3)債務者の責に帰すべき事由によって履行がなされないこと
(4)債務者が履行遅滞となるのはいつからか
 
 
 
 
 
     遅 滞 時 期  消 滅 時 効 起 算 点
 確定期限
 債  務
 期限到来時
 
 期限到来時
 
不確定期限
債   務
 
 期限の到来を債務者が知った
 ときから
 
 期限到来時

 
期限の定め
なき債務










 
 履行の催告時
<例外>
@返済時期の定めのなき消費貸借   催告後相当期間経過後


 

A不法行為に基づく損害賠償債務
   不法行為時


 
 債権発生時
    (H9-4-1)
@返済時期の定めのなき消費貸借
 @)催告ある時
   相当期間経過後 
 A)催告なき時
   成立から相当期間経過後

A不法行為に基づく損害賠償債務
 @)損害及び加害者を知った時
   から3年
 A)行為の時から20年
 


















 
 
   C履行遅滞の効果
・ 相当の期間を定めて履行を催告し、その期間内に履行がないとき には契約を解除できる
・ 契約を解除してもしなくても、履行がなされなかったことによる 損害の賠償を請求できる
   D履行不能の要件
(1)債権成立後に履行が不可能になったこと(後発的不能)
(2)履行不能が違法なものであること
(3)履行不能が債務者の責めに帰すべき事由によること
 
   E履行不能の効果
     ・契約の解除と損害賠償請求権の発生
 
 9,契約の解除
   @意義
 解除とは、いったん有効に成立した契約を、一方の当事者の一方的な意思表示によって、最初からなかったことにする制度
      (1)約定解除
      (2)法定解除
 
   A履行遅滞による契約の解除の要件
(1)債務者の責めに帰すべき事由による履行遅滞があること
(2)債権者が相当の期間を定めて履行を催告したこと
(3)催告期間内に債務者が履行しなかったこと
・催告期間内に債務者が履行しなくても解除できない場合
          ↓
債務者が同時履行の抗弁権を有するとき
債権者は自分の債務を履行して、債務者の同時履行の抗弁権を奪う必要がある
・履行遅滞で、債権者が催告をしなくても解除が認められる場合
          ↓
a,定期行為の場合
b,当事者間に催告不要とする特約がある場合
 
 
 
 
 
 
 
   B履行不能による契約解除の要件
   (1)債務者の責めに帰すべき事由による履行不能があること
        èこの要件がみたされれば、直ちに解除権が生じる
履行到来前でも履行不能がはっきりすれば契約を解除できるし履行を催告する必要もない
        (不能である以上、催告しても無意味)
 
   C解除権の不可分性.
   (1)解除権不可分の原則
       è解除する当時者が多数いる場合、その全員から解除しなければならず、
また解除の相手方が多数いる場合は、その全員について解除しなければならない。ただし、解除の意思表示は同時になされる必要もなく、順々に解除していってよい
   (2)解除権者が多数いて、うち一人の解除権が消滅した場合
       è他の者の解除権も消滅する(もう全員の解除ができないため)
   D解除の効果と第三者の保護
   (1)契約は最初からなかったこととなる
   (2)原状回復義務が生じる
        この義務は同時履行の関係
   (3)解除による契約の失効は、第三者の権利を害することはできない
                   ↓
                契約の目的物を解除前に譲り受けた者等
   (4)第三者が保護を受けるためには、自分が得た権利について対抗要件(不      動産における登記)を備えることが必要。
       しかし、第三者の善意・悪意や過失の有無は問わない。
       第三者は悪意でも、対抗要件があれば保護される
 
 
 
 
 
   E催告による解除権の消滅
         



 
   @期間を定めて「解除するか否か」を催告
解除権者          相手方

   A期間内に返事がない
 
 
   したがって、契約は存続する。
  ここでの解除権者のもっている
  解除権を消すためのものだから
  契約自体が消滅するのではない、

 
        ↓            
    
解除権は消滅する
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
13講 売 買
 



























































 
   過 去 問  
    H4-7-1 解約手付
     -2 解約手付の締結時期
      -3 手付の放棄
      -4 債務不履行と手付

    H6-6-1 解除権の留保
     -2 解約手付の行使
     -3 債務不履行と手付
     -4 損害賠償の予定

   H12-7-1 手付の額
     -2 手付放棄の時期
     -3 解約手付と損害賠償
     -4 手付放棄の解除の方法

   H1-4-1 他人物売買
     -2 瑕疵担保と解除
     -3 代金の支払いを拒絶できる場合
     -4 抵当権が付いている不動産を買った場合

   H2-6-1 担保権による制限   
     -2 代金の支払いを拒絶できる場合
     -3 物上代位性
     -4 代位

   H3-11-1 一部他人の権利
     -2 全部他人の権利
      -3 隠れたる瑕疵
      -4 数量不足・一部滅失

    H4-8-1 隠れたる瑕疵
     -2 同時履行の抗弁
     -3 解除権の留保
     -4 原状回復義務

   H4-5-1 隠れたる瑕疵
     -2 除斥期間
     -3 除斥期間
     -4 瑕疵担保の特約

   H5-8-1 数量不足
     -2 一部他人の権利
     -3 全部他人の権利
     -4 用益権による制限

   H8-8-1 全部他人の権利
     -2 一部他人の権利
     -3 担保権による制限
     -4 隠れたる瑕疵

  H11-10-1 全部他人の権利
     -2 全部他人の権利
     -3 担保権による権利
     -4 売主の無過失責任

   H3-8-1 買戻しの特約
     -2 買戻し期間
     -3 買戻し期間
     -4 買戻しの登記
 
 1,手付
  @手付とは
 売買契約の締結の際に当事者の一方(多くは買主)から他方に対して支払われる一定額の金銭
 契約の締結の際に手付金を交付する契約によって成立する
 手付金契約は要物契約であって現実に授受することによって成立する
  A手付時期
 売買契約と同時に締結するケースが多いが、同時にする必要はなく、売買契約締結後であっても履行期前であれば締結しうる。
 
  B種類
      証約手付  契約の成立を証明するため
      違約手付  手付の交付者が債務を履行しない場合の違約罰
            債務不履行があって場合に、その損害賠償額を予定する
           目的で交付される手付のことをいう
            すなわち手付金を支払った当事者が債務不履行に陥った
           ときは、手付金を受領した者がこれを没収でき
            逆に手付金を受領した当事者が債務不履行に陥ったとき
           手付金を支払ったものは、その返還とそれと同額の損害賠償
           を請求できるいわば履行確保の手段として交付される
 
 
      解約手付  解除権留保の対価である解約手付
 
  C手付の法律的効力(解約手付)
・手付金を失うことさえ覚悟すれば相手方の債務不履行がなくても
 契約を解除できる
・手付金を交付した者(買主)が手付金を放棄するか、交付を受けた者(売主)が手付金の倍額を買主に返すかすれば、契約を解除できる
 
  D手付による売買契約の解除が認められるための要件
・契約の相手方が履行に着手するまでは手付による契約の解除が認め  られる
・解除する側が自分で履行に着手していたときは、相手方が履行に着手 しないうちは、なお手付による解除ができる。
 
  E手付による解除の効果
・手付による解除は、債務不履行による解除とは異なり、手付金の範囲内 ですべてを解決する。解決しても損害賠償の問題は生じない。
     手付倍返しによる解除の場合、その倍返しの金銭の現実の提供(相手方
    が受取ろうと思えばすぐ受取ることのできる状況にすること)が必要であ
って、口頭の提供(いわば口で申し出ること)では足りない(判例)
・合意で契約が解除された場合、手付による解除ではないので手付を交付 した者は手付金の返還を求めうる
 2,売買の担保責任
 
  @売主の義務
   ・売主の財産移転義務
売主は売買の目的物である財産権を買主に移転し不動産であれば対抗要件
(登記)を備えさせ、目的物を引き渡す義務を負う
         引き渡す前にそれから生じた果実(地代、家賃)
          売主が取得してもよい
         そのかわり、買主は引渡しを受けるまでは代金の利息を支払う必要
         はない
 
  A売主の担保責任
    a,種類
・権利の全部が他人に属する場合
・権利の一部が他人に属する場合
・数量不足・一部滅失の場合
・用益権による制限の場合
・担保権による制限の場合
・瑕疵担保責任
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
    b,担保責任と債務不履行の違い
     (1)要件における違い
債務不履行…相手方に不履行について帰責事由(故意・過失)がある      ときだけ生ずる
担保責任 …売主と買主の公平をはかるための制度であるから、売      主に帰責事由がなくても生じる(無過失責任)
             「隠れたる瑕疵」
               取引上要求される一般的な注意では発見できない               キズ。すぐに気が付くような瑕疵は売買契約に折               り込まれている
             これら以外に
              担保責任は買主の善意・悪意で効果が異なる、解除             するのに催告不要
     (2)効果における違い
担保責任 …代金減額請求権が認められる場合がある。しかし、      債務不履行における完全履行請求権は担保責任には      認めれていない。また、短期の権利行使期間(排斥      期間)の定めがある            
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
    代金減額請求  契約の解除   損害賠償請求  除斥期間
  全部他人の権利


 
善意
 
   ×
 
   ○
 
   ○      な  し
 
悪意
 
   ×
 
   ○
 
   ×      な  し
 
  一部他人の権利


 
善意
 
   ○
 
   ○
(目的不到達)
   ○
 
 事実を知っ
た時から1年
悪意
 
   ○
 
   ×
 
   ×
 
 契約成立時
 から1年
  数量不足・一部
  滅失

 
善意
 
   ○
 
   ○
(目的不到達)
   ○
 
 事実を知っ
た時から1年
悪意
 
   ×
 
   ×
 
   ×
 
   ×
 
  用益権による
  制限

 
善意
 
   ×
 
   ○
(目的不到達)
   ○
 
 事実を知っ
た時から1年
悪意
 
   ×
 
   ×
 
   ×
 
   ×
 
  担保権による
  制限

 
善意
 
   ×
 
   ○
(所有権喪失)
   ○
 (所有権喪失
  な  し
 
悪意
 
   ×
 
   ○
(所有権喪失)
   ○
 (所有権喪失
  な  し
 
  瑕疵担保責任


 
善意
 
   ×
 
   ○
(目的不到達)
   ○
 
  事実を知っ
 た時から1年
悪意
 
   ×
 
   ×
 
   ×
 
   ×
 
 
 
 
 
 
B担保責任による特約の効力
a,担保責任に関する民法の規定は任意規定であり、これと異なる定め  をすることは原則として当事者の自由。つまり、売主は担保責任を  負わないという旨の特約を結んでも、有効。
b,ただし、売主が契約の前から目的物に瑕疵があることを知っていな  がら、これを買主に言わなかった場合や、第三者のために設定した  権利などについては、担保責任免除の特約があっても担保責任を負  うことになる。
C買主の義務
       売主に対して代金支払義務を負う
 
D代金支払拒絶権
 ・ 売買の目的物について権利を主張する者があるため買主が権利の全部又は
  一部を失うおそれがあるときは、買主はその危険の限度に応じて代金の全部
  又は一部の支払いを拒むことができる
 ・ 買受けた不動産に先取特権、質権、抵当権の登記があるときは、買主は滌除
の手続が終わるまで代金の支払いを拒むことができる
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 4,買戻し
   @趣旨
 売買契約と同時になされる買戻しの特約は、貸金の返還請求権を担保するために、売買契約による所有権移転の形式を借用したものと考えることができる。





 





 
     解除権留保売買所有権移転




 
 
        代金支払
    解除権行使所有権復帰
 
 
 
 
     代金返還
   A要件
     (1)目的物 ・・・不動産に限られる
     (2)買戻代金・・・売買代金と契約費用
        原則:不動産の果実と代金の利息は相殺したものとみなす
        特約:利息を支払う特約は有効
     (3)買戻期間・・・10年を超えることはできない
               期間を定めたときは後日延長できない
               期間を定めたときは5年以内とされる
     (4)対抗要件・・・売買契約と同時に買戻しの特約を登記しなければなら
               ない
 5,再売買の予約
   @趣旨
 一定期間に内に逆方向の第二の売買ができるという予約をした売買。
 売主の予約完結権の行使によって、もう一度売買契約が成立し、その効果として目的物を取り戻す。




 




 
        売買所有権移転



 
       再売買の予約
        代金支払  
 
    予約完結権の行使  
     代金返還
   A買戻との共通点
     ともに担保の機能を果たす。
   B比較

 

   買 戻 権

  再売買の予約完結権

  代   金

 最初の売買の代金+契約費用

  制 限 な し

  行 使 期 間

 10年以下

  制 限 な し

  対 抗 要 件
 

登記することによって第三者(転得者)に対抗しうる

 仮登記することによって第三者に対抗しうる

買戻及び予約完結の意思表示の当事者
 

買戻権者(買戻権が譲渡されたときは譲受人)から買戻義務者(目的不動産の転得者がいれば転得者)

 予約完結権者(予約完結権が譲渡されたときは譲受人)から最初の予約の相手方
 

 譲 渡 性

    あ    り

   あ    り



譲渡の対抗要件

 

@登記があるとき⇒登記
A登記がないとき
  ⇒通知・承諾
 (債権譲渡の対抗要件)
 

通知・承諾
 (債権譲渡の対抗要件)


 
 
 
 
 
 
 
14講 委任・請負
 


























 
   過 去 問  
    H7-9-1 報酬の定め
     -2 引渡義務
      -3 終了
      -4 復委任

    H9-9-1 善管注意義務
     -2 解除
     -3 報酬
     -4 終了

   H1-8-1 瑕疵修補請求と損害賠償
     -2 解除
     -3 担保責任の存続期間
     -4 工作物の解除

   H6-8-1 請負における同時履行の関係とは
     -2 工作物の解除
     -3 担保責任の存続期間
     -4 担保責任の特約

   H7-10-1 担保責任の存続期間   
     -2 所有権の帰属
     -3 瑕疵担保責任の追求権
     -4 注文者の解除

   H15-10  瑕疵担保責任
 



























 
 
 
 








 








 

    報償(特約のある場合)








 

  ローマ法以来
   伝統から無償が原則
   委任は高級の知的労
   務の提供であり対価
   になじまない


 

 
  委任状・代理権授受  
 
 
事務の処理
訴訟弁護
財産管理
 
 

 

 

 

 

第三者
 

(やむを得ない場合
  許される)
 
 
 
        単純な労務…雇用
        仕事の完成…請負
        事務処理 …委任
 
 2,委任の効力(自分の裁量で事務を処理するという独立性を有する)
   @意義
 当事者の一方が、法律行為(契約の締結など)をなすことを相手方に委託する契約。
 法律行為以外の事務を委託する契約は準委任。準委任は委任と同じ扱いがなされるので、区別の必要なし。  ↓
                    医師との診療契約
   A受任者の義務
 受任者は委任の本旨に従い善良な管理者の注意をもって委任事務を
処理しなければならない。(有償・無償に関係なく)
 
 
 
    受任者の付随的義務
    (1)事務処理状況の報告
        委任者の求めに応じていつでも
        委任終了後は遅滞なく
                    しなければならない
 
    (2)受任者は、委任事務処理中に受け取ったお金や物、権利などを
   委任者に移転する義務を負う。
 
    (3)受任者が、委任者に引き渡すべきお金など、あるいは委任者の利益
       のために用いるべきお金などを自分のために消費したときは、消費
       した日以後の利息をつけてその金額分を返し、なお損害のあるとき
       はこれを賠償する責任を負う。
 
    (4)受任者は第三者に事務処理をさせることができるか。
   単純な補助人として他人を使う場合は別として、受任者はみず    から事務処理にあたらねばならない。
    ただし、やむを得ない場合(病気で倒れた場合等)には、他人   に事務を処理してもらうこともできる。
 
   B委任者の義務
(1)報酬支払義務(原則:後払い)
 
    (2)費用前払義務(委任事務の処理に費用を要するときは委任者は受任者の請求に
         より前払いをしなければならない)
 
    (3)債務の代弁済・担保供与義務(受任者が委任事務の処理に必要な債務を負担
         したときは委任者に代わりに弁済させ債務が弁済期前のときは相当の担保を提供さ
         せることができる)
 
 
    (4)損害賠償義務(受任者が委任事務を処理するために自己に過失なく損害を受けた
                 ときは委任者にその損害を賠償することができる)
 
   C委任の終了
 債務不履行等の契約一般の終了原因の他に、以下のような委任特有の終了原因がある。
(1)無理由解除(いやになったものを無理につなぎ止めておくことは無意味)
(2)その他
委任者・受任者の死亡
委任者・受任者の破産
受任者が成年被後見人の審判を受けた(委任者が成年被後見人を受けても 委任の終了原因とはならない)
(3)非遡及効
 売買契約では、その契約が解除されると、契約は初めからなかったものとなるが、委任契約ではそのようなことにはならず、委任契約が何らかの理由で終了した場合でも、その効果は終わった時から将来に向かってなくなるにすぎない。
 
    (4)解除における損害賠償



 
  当事者の一方が相手方の不利な時期に委任を解除したときは
 その損害を賠償しなければ
  例:訴訟途中で辞任し、代わりの弁護士を探すなどで損害
    をうけたとき



 
   


 
  但し、やむを得ない事由があったときはその義務はない
  例:一審について控訴すると、きかないとき自らの良心に反
    してまで訴訟はできないと解除したとき


 
 
 
 
     (5)委任の終了の対抗
        相手方当事者にそれを通知し又は相手方がこれを知った時でなけ
       れば相手方に対抗できない
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 4,請負の効力
   @請負契約の意義
 当事者の一方(請負人)がある仕事を完成することを約束し、相手方(注文者)がその仕事の結果に対して報酬を与えることを約束する契約。
 今日、最も多く見られる請負契約は、建物の請負契約である。
 
   A請負人の権利・義務
    (1)仕事の完成義務
    (2)目的物引渡義務
    (3)請負人の瑕疵担保責任
a,請負人が完成した目的物に瑕疵(=欠陥)がある場合には、  注文者は請負人に瑕疵の修補(=修理)を請求できる。
b,注文者は、修補を請求せずに損害賠償だけを請求すること  もできる。
c,abのどれを選択するか注文者の自由
d,瑕疵が重大なために契約の目的を達することができない時  は、注文者は契約を解除できる。ただし、土地の工作物(建  物等)の請負の解除は許されない
e,注文者が瑕疵の修補に代え、またはその修補と共に損害賠  償請求と請負人の報酬請求とは同時履行の関係。
(4)担保責任の存続期間
   原則⇒仕事の目的物を引き渡した時から1年
   例外⇒土地の工作物
      普通の工作物5年
      石造・土造・レンガ造・金属造10年
(5)担保責任を負わない旨の特約は有効か
    ⇒原則として特約は有効で、請負人は担保責任を負わない。
(6)注文者の権利・義務
a,報酬支払義務を負う。
b,報酬は後払い
 
(7)制作物の所有権の帰属と移転時期
   a,制作物の所有権は、だれが材料を供給したかによって決めら     れる。
 
(8)請負契約の終了原因
   債務不履行による解除のような契約の一般原則による解除の    ほか、以下のような請負契約特有の終了原因がある。
a,担保責任としての解除
  ただし土地の工作物(建築等)には、担保責任としての解除  は認められない。
b,注文者からの任意解除
  請負人が仕事を完成しない間は、注文者はいつでも建築を解  除できる(ただし請負人の損害を賠償する必要はある)。
  不要になった仕事を強いて完成させるのはムダだからである。
c,注文者の破産による解除
  注文者が破産の宣告を受けたときは、請負人は契約を解除
  できる。
 
(9)売買との違い
a,瑕疵が隠れた瑕疵に限らない。
b,効果が損害賠償と解除に加えて一定の限度で瑕疵修補請求権  がある。瑕疵が重要でない場合でその修補が過分の費用を要  するときは修補請求できない。
c,瑕疵が注文者の供給した材料の性質又は注文者の与えた指図  に由来した場合には原則として担保責任の規定が適用されな  い。
  ただし、請負人がその材料又は指図の不適当であることを知  りながらこれを告げなかったときは担保責任が生ずる。
    (10)危険負担
       @.仕事の完成前
        ・災害は請負人の損失に帰する
          @ 仕事の完成義務
            原則:存続する(特約がない限り)
 
          A 費用、報償の増額請求
             費用・報酬の増額を請求できない
 
       A.仕事の完成後
        ・両者の責めに帰すべからざる事由
          @ 仕事の完成義務
            原則:履行不能となり、仕事完成義務も消滅する
 
          A 費用、報酬の増額請求権
            判例は請負人は報酬請求権を取得しない
 
    (11)瑕疵修補請求権・損害賠償請求権



 

   注文者が目的物を譲渡したとしても、上記請求権移転の合意
  をなさない限り請求権は注文者の下に残ることになる
 
 



 

   従って、注文者は、目的物の譲渡後でも目的物の瑕疵の修補
 請求や損害賠償請求をなしえる
 
 
 
 
 
15講 賃貸借・不法行為
 


























 
   過 去 問  
    H1-6-1 修繕義務
     -2 必要費の償還
      -3 転貸借人の保護
      -4 転貸借人にたいする賃料請求

   H10-6-1 転貸借人の保護
     -2 転貸借人にたいする賃料請求
     -3 賃貸借の解除と転貸借
     -4 賃貸借の解除と転貸借

   H2-9-1 一時使用目的の賃貸借の終了と明渡
     -2 一時使用目的の賃貸借の終了と明渡
     -3 一時使用目的の賃貸借の終了と明渡 
     -4 一時使用目的の賃貸借の終了と明渡 

   H2-12-1 建物全部滅失と賃貸借
     -2 賃貸借の存続期間
     -3 土地賃貸借
     -4 存続期間のない土地賃貸借

   H6-10-1 未払賃料と敷金  
     -2 敷金返還請求
     -3 敷金継承
     -4 敷金継承
 
      -
 



























 
 
 











 
   H7-7 -1 賃貸人の土地譲渡  
     -2 賃借権の譲渡
     -3 対抗要件
     -4 土地と建物の賃貸借
 
   H13-9-1 賃料支払債務と敷金返還請求権  
     -2 敷金返還請求権
     -3 建物明渡債務と敷金返還請求権
     -4 敷金と未払賃料

   H15-11  賃料支払債務と敷金返還請求権      -
 











 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 1,概説
    賃貸借とは
 ある人(賃貸人)が相手方(賃借人)にある物を使用収益させ、これに対して相手方が使用収益の対価(賃料)を支払う契約である。
 
 2,賃貸人の義務
   (1)使用収益させる義務
   (2)目的物の修繕義務
   (3)費用償還義務
      ◇賃借人が必要費を支出したとき
        èただちにその償還を請求しうるとき
      ◇賃借人が有益費を支出したとき
        è賃貸借終了に際してその費用の償還を請求できる
       賃貸人は
        ・支出した有益費の額
・現存している価格の増加分
 どちらかを償還しなければならない(どちらか安い方を選ぶ ことになる)
◇費用償還請求権は、貸主に目的物を返還したときから一年以内に 行使しなければならない
   (4)賃借人の権利義務
      ◇賃料支払義務 
        支払時期については特約で決められるのが普通だが、民法の原則
       は後払い
      ◇目的物の保管及び返還義務
        善良なる管理者の注意をもって保存し契約に定まった用法に従って
       使用収益をなすことを要する
      ◇賃借権の無断譲渡・無断転貸
        → 賃貸人は、無断を理由に賃貸借契約を解除することができる
         但し、無断譲渡・転貸が背信的行為とは認められない特段の事情
         があるときは賃貸人は賃貸借契約を解除することができない
      ◇賃借物の一部が賃借人の過失によらず滅失した場合
        è賃借人は滅失した部分の割合に応じて賃料の減額請求できる
   (5)賃貸借契約の存続期間
       最長期間…20年を超えてはならない
            仮に当事者間で20年を超える長い期間の定めをした             場合には20年に短縮される
       最短期間…制限なし
        ※土地の賃貸借については、借地借家法の規定が適用される 
 
   (6)賃借権の譲渡・目的物の転貸
      a,賃借権の譲渡
 賃借人と譲受人との契約で、賃借人の権利義務をすべて譲受人に移転させること。
      b,賃借人の転貸
          転借人が賃借物を第三者に「また貸し」すること。
         aとbの違い
          è賃借権の転貸の場合には原賃借人と賃貸人との関係は            存続し、転貸借はその賃貸借関係を基礎として成立す
            る。
      c,賃借権の譲渡・転貸には、賃貸人の承諾が必要
 賃借人が賃貸人に無断で目的物を第三者に使用収益させた場合には、賃貸人は賃貸借契約を解除することができる。
 ただし、その行為が賃貸人との信頼関係を今だ破壊していないときは解除不可。
      d,転貸について賃貸人が承諾を与えた場合
15万       20
A        B        C
賃貸人      賃借人      転貸人
            AはCに対して15万を限度で家賃を請求できる
 
 
 3,敷金と権利金
    敷金 …賃借人の債務不履行によって生ずる債権を担保するために交付        される金銭
    権利金…担保的性格がないので賃貸借が終了しても原則として賃借人は        その返還を請求できない
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
16講 不法行為・不当利得
 






 
   過 去 問  
    H12  建物の取り壊し

    H13  使用者責任

    H11  建物の剥離

    H14  使用者責任







 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 1,不法行為
    @意義
     ◇不法行為とは、故意または過失によって他人の権利を侵害し、これ      によって他人に損害を被らせる行為をいい、加害者は被害者に対し      損害を賠償する義務を負うことになります。(過失責任の原則)
     ◇契約責任は、契約で結ばれ、債権者債務者の関係にあるものの間で      起こる問題であって、契約当事者間以外では問題になりませんが、      不法行為責任は、契約の有無にかかわりなく、誰との間でも問題に      なる点で違いがあります。 
 
    A成立要件
     (1)自己の故意または過失による行為に基づくこと
     (2)他人の権利を違法に侵害したこと
     (3)責任能力があること
     (4)その行為によって損害が発生したこと
    
    B特殊の不法行為
     (1)責任能力の監督責任
        加害者が責任無能力者のために賠償責任を負わない場合は、これを
       監督すべき義務のある者及びこれにかわって無能力者を監督すべき者
       が、その無能力者が加えた損害を賠償する責任を負います
        但し、監督義務を怠らなかったことを証明すれば責任を免れること
       ができます。
 
     (2)使用者の責任
        ある事業のため他人を使用する者は、被用者がその事業の執行につ
       き第三者に加えた損害を賠償する責任を負います。
        但し、使用者は、被用者の選任及びその事業の監督につき相当の注
       意をしていたという事実を証明して責任を免れることができます。
 
 
     (3)注文者の責任
        請負人がその仕事につき他人に損害を加えたときは、請負人がすべ
       て責任を負うのが原則です。
        しかし、注文または指図につき注文者に過失があったために生じた
       損害については、注文者も責任を負います。
 
     (4)土地の工作物の占有者・所有者の責任
        ―例―






 






 

  @まず占有者




 

 工事人に責任が
 あれが弁償を要
 求する
 




 




 
  侵害の排除を要求  
 
  損害賠償を要求  
 
 
  免責の主張ができる  




 

   A占有者に責任がない






 


  弁償を要求
  侵害の排除を要求する  
     
  損害賠償を要求する  

 

 
   免責を主張できない    
 
 
      (5)共同不法行為
         数人が共同の行為によって他人に損害を与える行為を共同不法行為
       という
         被害者に対して連帯債務を負担する関係に立つ
 
 
 
   C被害者救済という点で2つの制約
     (1)被害者救済を受けるためには加害者に不法行為があったという        条件の立証が必要
     (2)加害者に資力がなければ被害者救済といっても絵に描いた餅
 
   D過失相殺
    裁判所が、損害賠償額を定めるにあたって、被害者にも過失があった
   ときは、これを考慮して、賠償額を減らすことができる。これを過失相    殺という。
 
   E不法行為債権の消滅時効
    被害者またはその法定代理人が




 
<

  損害および加害者を知った時から3年

  不法行為の時から20年経過
 
 
 
 時効消滅する